黒ナンバー哀歌
ここ数年、よく見るようになった色のナンバーがあります。
黒地に黄文字のナンバープレート。
運送業の車両につける緑ナンバーの軽自動車版です(→コラム「白ではなく緑色のワケ」)。
(↓)右下のものがそうです。
軽のナンバーと言えば、上にも出てますように黄色地に黒文字が一般的で、
その黄色が目立つからとか車の色に合わないとか黄色は嫌いとか黄レンジャー(意味不明)とか
その他もろもろの理由で白地のナンバーにされる方もおられますよね。
(→コラム「軽四乗りはラグビー好き?」、「黄色い縁取りがつきました」、「隠せない左上の△」)
ですが、黒のナンバーだけはご当地デザインナンバーからもはじかれ、真っ黒オンリー。
さらに、希望ナンバーもできないし、字光式も不可(→コラム「闇夜に浮かび上がるエメラルドグリーン」)、
気の毒の極致です。
その黒ナンバーの車って、かつては郵便局の赤い軽バンや、赤帽なんかの軽貨物車くらいでしか見かけなかったのですが、
いまは結構増殖しています。
軽の有償介護車両や、日産の軽EV「SAKURA」のタクシーも見かけますが、
最も多いのは白い軽バンです。
…もうおわかりですかね。
Amazonなどの荷物を宅配している車両です。
我が家もチョイチョイお世話になってますし、配送車を見かけない日はないってほど走ってます。
今日も家の前を元気よく通っていきましたし。
べつに車体にAmazonとか書いてないのに、そうと分かってしまう。
なぜか。それはたいてい急いでいて車はボコボコだから。
むしろ、ボコボコがAmazon配送のシンボルなのかも(笑)。
では、どうしてそんなことになるのか。
荷台に荷物満載ですやん。しかもそれを配達しきったら終わりではありません。
人気のない道ばたで、2tの箱車にたくさんのボコボコ軽バンが群がり、荷物のバケツリレーをしているのを何度も見かけてます。
一日に何台分、何件の荷物を配達するのやろう。
その成れの果てがニュースになっていました。
(c) 京都新聞
配送中の交通事故経験が4割って。おかしいですよそれ!
あの余裕ゼロの走り方してりゃ車もボコボコになるわな。
それだけでなく、記事にはうわさに聞きし労働実態がわさわさ出てるやん。
頑張ったら月収50万も可とか耳にしたことありますけど…、
あの動き方でロクに休憩も取らず1日12時間働いて、
個人事業主やしガソリン代など諸経費は自腹で、事故等何かあっても自分持ちで休業補償もないし、
車だけじゃなく心身ともにボコボコになりかねんわ。
ナンバーの色がそのまま労働スタイルを象徴しているような…。
さんざんお世話になっておいて言うのもおこがましいですけど、末端の人たちがいてこそ成り立ってるのやし、
正当に評価してあげないと破綻しますよ、これ…。
記事引用:京都新聞 2024年12月26日付夕刊