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沖縄本島から西へ400km余、八重山諸島の中心は石垣島。ここから近隣の各離島へ船が出ています。
その石垣島の西隣に位置しているのが自然を愛する島、西表島。沖縄県で沖縄本島に次いで大きな島です。



僕はそこでカヤックに乗り、マングローブの森を探検してきました。
その感激をなんとか文章にしたいのですが、なにぶん僕のボキャブラリが乏しいので、
西表の大自然の恵みをうまく伝えることが出来ません。

遠浅の海を水牛車に乗って、隣接する由布島(ゆぶしま)にも渡りました→ 


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代わりにといっては何ですが、西表島でバイクに乗れるチャンスに恵まれましたので、
それをレポートしちゃいます。



西表島はほとんど観光化されていない、島のほとんどが未開の亜熱帯のジャングルという、
ニポンらしくない島です。東洋のガラパゴスとも呼ばれるほどです

島内の雰囲気もどこか東南アジアっぽい印象。
道路は海岸線沿いにへばりつく延長55kmの県道のみ。
道の背後はすぐジャングルですので、平地らしい平地もほとんどありません。どこへ行くのもとりあえず坂道があります。



2008年3月12〜13日
西表島はことさら天候が安定しない島ゆえ、バイク走行に向かないためか、
レンタルバイクは「有って無いようなもの」なのです。
が、僕が宿泊したユースホステル(YH)「いるもて荘」には、宿泊者限定で原チャのレンタルがありました。
1時間500円で4時間以上は2000円。


旅先でバイクに乗れる、バイク乗りにとってこれほど喜ばしいことがあるでしょうか。
ここで借りなきゃ男がすたる(笑)。


バイクはホンダ・TODAY
HP上では「デフレバイク」として紹介した 格安非力4サイクル原チャです→ 
初めて乗ります、4ストの原チャ。




YHのヘルパー(住みこみのバイト君)曰く、
「故障の修理から帰ってきたばかりですので、スピードは控えめにお願いしますね」と念押しされました。



僕たち都会に住む人間の感覚を 離島に持ち込んではイケマセン。

  24時間営業のコンビニなどあるわけないですし、
  日用品や食料が手に入る商店ですら集落の中心に数えるほどしか有りません。なおかつ高い。
  なので、島の人の買い出しは、高速船で50分の石垣島へ
  深夜に遊ぶなんてもってのほか。日が暮れたら辺りは真っ暗です。

そういう島でバイクの修理というと、多分船で石垣島へ運んで直すのでしょう。
西表島でバイク屋さんはもちろん、走っているバイクを見かけませんでしたからね。大体ニーズもないでしょうし。



…ということを理解していながら全開走行を試したことは誰にも喋ったらアカンで!

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では、しゅっぱ〜つ!
4サイクルのエンジンの割にエンジン音が大きいのは気にしないことにしよう(笑)。


バイクは2回(日)レンタルしました。
西表島は返す返すも自然を愛する島ですので、いわゆる「観光名所」らしいものはないんですよね。
なので、風景を楽しみながら走るのが主になります。


1回目は、島の西部へ。上原〜祖納を往復。走行距離、約30km。
2回目は、島の東部へ。西表島の東の玄関口、大原港まで行ってきました。走行距離、約75km。

この2日間で、島の唯一の幹線道路、県道215号線・55kmをほぼ走破しましたよ。



集落と集落の間には、諸施設どころか人家すら全くなく
車も少ししか走っていませんので、いうなればドラクエなどの街と街の間のフィールドを行く感じです。
1本しかない主要道路なのに、本当にこれが正しいルートなのか、とか、
モンスターとか出て来やしないかと少々不安になります(笑)。



そんな中でも、コラムのタイトルにした こんな物体がありました→
ちょっと分かりにくいですかね?
碑の部分だけ拡大してみました。


「東経123度45分6.789秒」


こういうベタな物体は西表島には似合わないなぁ…。



星型の砂で有名な
「星砂の浜」は、時間が足りず浜辺に下りるのを断念→


なぜ肝心な名所を時間を押してでも行かなかったのか などの抗議は、全て却下します(笑)。 




天候が不安定なのも西表島の特徴。走り始めたときは快晴だったのに、じきに曇りだし、時雨れてきました。
ジャングルのほうを見やると、どんよりとした雲が。
カッパなどはYHに置いてきてしまい、取りに戻っている時間も惜しいですので気にせず走ります。

3月は北風が非常に強く、天候が最も不安定で、海も大シケとなり、
外洋航路の船は欠航が頻発するほどです。
そういう変わりやすい天候ですので、しばらくしたら晴れ間が戻ってきました。


  あとから聞かされたんですが、沖縄離島めぐりは3月が最も不向きだとか。
  そういう重要な情報は旅行計画を立てる前に教えてくれ〜〜!



気温は最低で19℃、最高で25℃あり、半袖で十分。3月半ばにしてすでに初夏の陽気です。
気温一ケタの真冬の京都から来た僕は、感が狂いましたよ。



さて、肝心の道ですが、十分に整備されていて走りやすいです。
道端にレーダー立ててスピードを測ってることはありません。
後方をストーキングする不審車両に気を払うこともありませんし、白い鉄馬もここまでは出張してきません。


TODAYは修理上がりで絶好調。
と、普段のツーリングでは常に心配する要素が何も無い。

さらに、見上げれば、青空。
横に視線をやれば、エメラルドグリーンの海…。

これ以上ないというくらい自由な空気に包まれています。



この状態はいわずもがな、


幸せ。


いつもフルフェイスをかぶり、車の波の中で常に戦闘態勢の緊張を強いられた走りをしているので、
半キャップをかぶり風を肌で受けている開放感がたまりません。


ノロくても非力でも、それがどうしたと言うんや。
今までカッ飛びな2サイクルの原チャしか乗ったことのなかった僕でしたが、
TODAYは、思っていた以上に快調な走りを見せます。
実用的な速度域では必要にして十分なパワー。
4サイクルの原チャもやるな〜。


が、上り坂に差し掛かると、勢いが足りず速度がぐんぐん落ちていきます。
2サイクルならここで粘るのですが、やはり4サイクル原チャの弱いところが見えてしまいます。
先に書いたように、平地に乏しい島の中はアップダウンが非常に多く、何度も何度も失速(涙)。


あまりの開放感に、放ってくと西表の暴走族と化してしまいそうな僕をセーブさせるのには、
非力な4サイクル原チャがちょうど良かったのかも知れませんが(笑)。



そして、極まれに来る路線バスが暴走運転でしてアオられますorz 多分西表島最強の乗り物ですわ(^^;)。
上り坂でアオられて加速して振り切ろうとアクセルをがばがば開けても、スピードが上がりません!!

2サイクル→4サイクルに乗り換えた人が「上り坂が怖い」というのが良く分かりました。
しかし、バスもバスです。運転が荒いことで有名な京都市バスより激しい走りしてます。
ジェットコースターみたいにぶっ飛ばして!乗客がショック死すんど!!(笑)



ま、こういった たま〜に降りかかるイレギュラーな恐怖も「それがどうした」と割り切れると、
西表の流れに流されまくりの、最高級のお気楽ツーリングが堪能できます。



確かに海も空も美しいのですが、
黒潮が流れに当たるこの島には、大陸からのゴミが大量に漂着します。
海岸線にはハングル文字のボトルや袋などが…。
ニポン語のゴミは一見しただけでは見当たりませんでしたので、大陸の人たちのモラルが垣間見えます。



ガソリンスタンドは、島全体でたった4件しかありません。
それも18時に閉まってしまうので、燃料の残量には常に気を使わされましたよ。
TODAYには燃料計がついていません(リザーブのランプのみ)からねぇ。

僕が宿泊していた島北西部の上原地区と、島南東部の大原地区間は34km、TODAYで1時間の距離ですが、
この間スタンドはもちろん、集落もありません。バイクの燃料タンクにリザーブのリザーブが欲しいわ(笑)。


途中で給油。このレシート見てくださいよ。税別表示になっていますが、
レギュラー税込みで174円!激高!!

(※当時の京都市内のレギュラー価格は148円でした)



ちなみに西表島を含めて離島にはハイオクなんて置いてません。
ハイオク仕様の車などどこにも走っていませんでした。どの車も古くてぼろぼろです。

台風や高潮、強風の影響で車がすぐに傷んでしまうので、高級車など誰も乗らないのです。
いや、こんなところで金持ち気取りしてると浮きますかね(笑)。


2回(日)で合計100km以上走りました。平均燃費は50km/L!

旅行のプランをガチガチに固めたせいで、原チャの旅もこれが限界でした。
もっと時間をかけて西表島を探検したかった…。

次回訪れたときは、時間を気にせず原チャで走ってみたいですね。


今回お世話になった、いるもて荘YHは、宿泊客(ゲスト)とヘルパーさんの仲が良く、
毎晩イベントを催していて、バツグンに楽しかったですね。
西表島に行かれる方は、リゾートホテルなど泊まらずに、YHや民宿といった安宿に泊まった方がいろいろな情報も仕入れられますし、なお楽しめますよ。