公認ATVに授けられし称号
さて、今回ご紹介するのは2023年・第2回名古屋モーターサイクルショーで展示されていたある四輪車。
バイクの展示会なのに、しれっと四輪車が。
なんとなく撮っていたこの車が、あるニホン初を飾っていたことを後に知ることになります。
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こういう乗り物、ありますよね。
四輪バギー、通称 「ATV(All Terrain Vehicle(全地形型車両))」です。
チビッこいですけど、太いタイヤが大地を蹴り、
乗用車ではとても無理だろう道なき道やオフロードをも走破できるスグレモノです。
この手の車は50cc未満だとミニカー登録が出来、公道の走行が可能です。
僕もレンタルして乗ったことがあります。なかなか面白かったですね。
(→コラム「走れ!曲がれ!止まれ!ATV取扱説明書」)
ところが、50cc以上の排気量になるとナンバー登録が出来なかったのです。
このニホンには、ATVという車両カテゴリが存在しなかった、いや、正確には排除されていたからです。
そんな扱いになっていた理由は、「49のソコヂカラ」を読んでくださっている皆さんなら分かると思います。
だから、排気量の大きいATVは公道走行不可車両として、
私有地や山林など限られたところでしか活躍の場がなかったのです。
↓コレ見てくださいよ。
せっかくの700ccが「ブレーメの丘」の特設コースの体験乗車のみとは orz
(→コラム「道なき道を行け700cc!(体験)」)
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↓で、最初に紹介した実物がコチラです。
ランクルやジムニーのような乗用車ではありません。本格ATVです。
ポラリス社の「RANGER XP1000TR」といいます。
むき出しの無骨さは よりたくましく、沼地だろうが雪山だろうが岩場の斜面だろうが楽々と乗り越えて行けそうです。
排気量は1000cc。なのに公道を走ることが許されています。
その証拠がこれやッ!!
このATVは「9」から始まるナンバーをまとっています。
つまり大型特殊車なんです。
運転そのものは乗用車と同じ感覚ですので普通免許でいけそうですが、それはNGで
大型特殊免許が必要です。
「9ナンバー」の大型特殊車および、原付サイズの緑のナンバーの小型特殊車は、
「機械にタマタマを付けて機動力を持たせたもの」と定義されています。
↓具体的には次のような車両が該当します。
つまり、このATVは、例外的に機械として認められたということです。
それこそがニホン初なのです。
どうやら災害時に救助隊員や資機材を乗せて、瓦礫や土砂崩れを越えて行く目的で
消防に配備されたのと関係がありそうです。
いくら緊急時であってもナンバー無しで走っちゃうと色々と問題が起こりますからね。
車体サイズは軽四よりちょっと幅広なくらいですので、
車体規格だけで言うなら小型特殊でOKそうですが、
そうなってないのは最高速度が90km/hのためと思います。
小特の枠だと15km/hが上限ですし。
それだけ特殊ってことなんですね。ホンモノは要る免許も違うんやね。
免許持ってへんけど、こっそり乗ってみたい(笑)。
(どうせやったら15km/h仕様も出してくれたら小特登録できてバイクの免許で乗れるやろうに(ボヤキ))
ちなみに大型特殊車は資産扱いとなり個人所有だと税金がかかりません。
ただし、RANGERの価格は、
さすがホンモノの特殊車両は値段も違う!って、ネタでも買えへんわ orz