シートベルトが先か、エアバッグが先か




何らかの事故にあった場合、バイクと車で比べると、バイクの方がダメージが大きいのは言うまでもないことです。
そのリスクを加味して任意保険料金が車に比べ割高感がある、と。


車には、いろんな身を守る装置がついてますからね。

ちょっと思い浮かべただけでも、

シートベルト 基本中の基本。後部座席は装着義務はありませんが、しておいたほうが安心という代物。
(※高速道路や自動車専用道路では全席装着義務あり)
エアバッグ 最初はハンドルにマウントされて運転者のみの装備でしたが、その後助手席に付き、
一部の車には両サイドにもエアバッグが搭載されてます。
ボンネット&エンジンルーム 最近の車は前面衝突の衝撃を吸収できるように、わざと潰れやすくしてあります(本当です)。
緊急脱出装置 シート下のロケットエンジンで、シートごと車体上部に射出し避難できるようにはなってません(笑)。


など、万が一のときの対策がなされています。


それに対して、バイクには身を守る装置がついているでしょうか。
どこをどう見ても、何もついてません。なので、自分自身を固めてやる必要があります。



とはいえ、法律でうるさく言われるのはヘルメットを被って頭部を守ることくらいです。
それもお椀型の半キャップを首に掛けてても、ほとんどお咎めないですし…、何の意味もありませんね。


さらに、この文章を書いている真夏は、薄着でバイクに乗ってる方が多いです。
今日はタンクトップでリッターバイクに乗っておられるお方を拝見しました。
完全丸腰。僕にはそこまで無防備な姿をさらす勇気はありませんわ。


それで、少しでもダメージを減らす目的も含めて、
夏でもバイクに乗るときは長袖長ズボン、グローブに、くるぶしを守れるシューズでと言うんです。
僕も夏のツーリングでは、プロテクターが装着されたメッシュジャケットを着てますよ。


けれど、やっぱりバイクの側に何か身を守る装置をつけてほしい…。


シートベルトがついたバイクがあったんじゃなかったかな…

あ、あった。BMWが2000年に発売した「C1」(125/175cc)シリーズです。
屋根つきの二輪車ですね。これ。



写真の運転者の左肩に注目。ベルトを装着されてるのが見えますか?
コンセプトは「ヘルメットを被らないほうが安全」だそうです…。


ドイツ、スイス、フランスなどでは「C1」はノーヘルでOK。
イギリスはメット着用が義務付けられています。
ニポンでは、いくらシートベルトをしていようが、イギリスと同様メットの着用は避けられませんね。
どーしても被りたくないなら、トライクに改造してくださいな(笑)。



ま、本当に安全かどうかは乗ったことが無いのでなんともいえませんが、バイクの場合
転倒や衝突などしても車体にくくり付けられたままってのは非常に危険と思うのは僕だけですか?


かの国でも2003年に生産が打ち切られてますので、人気のほどがうかがいしれます(笑)。
数少ないBMWの迷作?


だからといって投げ出されて全身打撲のほうがいいかというと、そうでもない。


そこで考え出されたのが、バイク用エアバッグです。



まず登場したのは、ジャケット内蔵型

ジャケットにエアバッグの装置を組み込み、転倒などによりバイクとジャケットをつないだワイヤが断線すると、
カートリッジボンベより炭酸ガスがエアバッグに送り込まれ、瞬間に膨張し、
首、胴体、臀部へ受ける衝撃をエアバッグによって吸収し、
人体各部への損傷を少しでも軽減させる
…というものです。

現物は、バイク用品店で見たことありますが、ややライフジャケットっぽい感じを受けますが、
デザイン的には、他のものと遜色がなさそうな印象です。
まだ着てる人を見たことがありませんので、メーカーは普及に努力してください(笑)。



ジャケットだと、「自殺スタイル」でバイクに乗ってる方にウケませんので、
ホンダ
バイク自体ににエアバッグをつけようとしています。


2005年初頭から開発を始めていて、3年後をめどに実用化したいとのこと。
大型スクーターのハンドル下付近にエアバッグを装備


衝突時には
運転者の腰から頭までを覆うようにエアバッグが開いて、衝撃から守る仕組みを想定して
開発を進めている…らしいです。


あのー、エアバッグってシートベルトとセットで始めて効果が発揮できるものなんですけど、
その辺についてはどうお考えなんでしょうか、ホンダさん?
それと、車のエアバッグって結構大きいです。
きっとバイクのも大きさは変わらないと思いますが、こんなものをバイクのハンドルにつけたら、社外品のハンドルがバカ売れしそうな予感。


まーせいぜいBMWの二の舞にならないことを願っております(笑)。

参考資料:Yomiuri On-line 2005年1月5日付






と先月に書いたのですが、そのホンダがバイク用エアバッグを完成させたと発表したのです。
証拠写真が新聞に載っていました。

↑京都新聞 ↑毎日新聞




バイクの事故の半数以上を占める前面衝突の際、加速度センサーが衝突を検知して、エアバッグ装置にデータを送付。
瞬時にガスを供給し、座席とハンドルの間のエアバッグが開く仕組み。
車のエアバッグと原理は全く同じですね。


四輪車の助手席用とほぼ同じ大きさで、ライダーが前方に放り出されるのを防ぐほか、衝突の衝撃を吸収して怪我を軽減する。
→死亡事故減少につながる…ということだそうです。


さっそくバイクに搭載されるそうで、第1号は1800ccの大型クルーザーバイク、ゴールドウィングに
ニポンでは大して売れてない道楽バイクにどうして…。


新聞記事をよく読みなおすと、


来年(2006年)半ばにアメリカで発売する新型のゴールドウィングに搭載
同車はアメリカで1万2000台(2004年)も販売した人気車種。


…のくだりが。
ニポンのメーカーのクセにアメリカなんかにコビを売ったな〜!!


そんな事故るような人が乗りそうにないバイクにではなく、事故が多発しそうな国内400cc未満のバイクに優先的につけろ〜!
安全をカネで買ったと思えれば安いものではないか。多分。


参考資料:京都新聞・毎日新聞、いずれも2005年9月9日付朝刊