電アシのフリしたミニカー




台風直撃のため予定がキャンセルになり、「不要不急の外出はご遠慮ください」でしたが、
暇なので 世のため人のためと暴風の中 出かけた献血ルームの待合で、無料ジュース片手に読んでたバイク雑誌に載ってたのでご紹介。


------

一風変わった3輪の「電動アシスト自転車」が発売されました。
作ったのは、なんとカワサキ


陸海空を制覇している企業が それでは物足りなくなったのか(笑)、
とうとう自転車にまで手を出したんです。



早速ご覧に入れましょう。



((C)カワサキモータースジャパン)



「noslisu(ノスリス)」と名付けられています。



一般的な3輪の自転車は前1輪、後ろ2輪ですが、
ノスリスは、逆に前が2輪で、後ろが1輪

ちょっとユニークな いで立ちをしていますね。




一般的な3輪の自転車は後ろ2輪が固定されているので、カーブでの旋回性に難がありますが、
ノスリスは、バイクメーカーの意地なのか、3輪のバイクを作ってるヤマハ(→コラム「国内初?自動三輪車」)に対抗したのか(笑)、
二輪ステア(操舵)機構を備えた前輪は、独立して動くため、段差がある場所でも走りやすく、
バレリーナのように足(?)をそろえて傾斜するので、スムーズな旋回もできる(ようです)。



((C)カワサキモータースジャパン)


しかもこの二輪ステア機構は、特許を取ってます。本気ですね。



ラインナップを見てわかるように、遊び心を出していますね〜。
硬派な男カワサキのイメージが崩壊しそうです orz




そして、僕が最も紹介したい問題作はこいつです。



((C)カワサキモータースジャパン)



「noslisu e(ノスリス・イー)」と名付けられたこちらのモデル、
なんと電動アシスト自転車ではありません。



車両法のカテゴリでいうと、ミニカーなんです(→コラム「青ナンバー原付」)。



電動アシスト自転車のノスリスと似ていますが、モーター出力が0.5kWあり、
ペダルを漕がずともフル電動でも走れるんです。つまりEV。

前輪の輪距(りんきょ;両車輪の間隔)が650mmと バイクの基準をオーバーしているので、原付1種でもなく、ミニカーとなります。
運転には普通免許と自賠責保険の加入、そして車道走行が義務付けられます。
ただし、電アシ仕様のノスリスでは努力義務のヘルメットは、必要ありません(矛盾)。



あ、そうなん?
じゃあバッテリー切れのときは、モペッド(→コラム「目標、完全コンパチ二輪車!」)みたいにペダル漕いで100%人力で走れるのん?



…ここで法律の壁が立ちはだかります。


ノスリスe  ミニカー  モペッド


なんです。



モペッドはエンジン or 電源を切り、人力で漕いで走ってもOK(※ただし法的には原付扱いのまま)ですが、

ノスリスeは、道路交通法上 自転車ではなく、ましてやバイクでもなく、普通自動車なので、
電源OFFの状態(バッテリー切れを含む)で 人力のみで漕いで走ることは法律違反になるんですって!
(※電源をONにして、モーターを作動させず人力のみで漕いで走るのはOK(※法的にはミニカーのまま))


更に言っておくと、ミニカーは押し歩いても、バイクを押し歩いた時のように歩行者扱いにはなりません(ややこしい)。

つまり、出先でうっかりバッテリー切れしたら「充電させてもらえませんか?」になる、と。出川哲朗か(笑)。



結論:
紹介するだけして言うのもナンですが、
法的に面倒なノスリスeはネタ的乗り物と割り切って、
賢明な皆さんは普通のノスリスをお求めになった方が自由でエエと思います〜。




参考および画像拝借:
カワサキモータースジャパン https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/electric/3-wheeled-vehicle/noslisu
Mr.Bike BG 2023年7月号 (モーターマガジン社)