復活、オート三輪
今でこそ自動車といえば四輪車ですが、その昔、三輪の自動車が存在していました。
多くは前が一輪、後ろが二輪。荷台の付いた貨物自動車で、オート三輪と呼ばれていたものです。
ナンバープレートによる車両区分は「6」。
↑これは兵庫県篠山市で展示されていますマツダの軽オート三輪、K360(1963(昭和38)年式)。
2スト2気筒356cc、11馬力。
ニホンでオート三輪が普及したのはこういう理由があったのだとか↓
戦後、GHQによりニホンの自動車メーカーは4輪車の生産を禁止されたとのことで、
その網を潜り抜けた三輪車が普及したとのこと。
そんなオート三輪も時代の波に飲まれて1974年頃を最後に生産が終わっちゃったようですが、
今でも僕の住む京都市内でマツダの「T1500」か「T2000」と思われる
オート三輪を1台見かけますね。
三輪の上に水色の大柄な車体、「京都66」ナンバーですのでかなり目立ちますよ〜。
そんなオート三輪が40年あまりの時を越えて再び日の目を浴びることになりました。
2015(平成27)年6月に「日本エレクトライク」というベンチャー企業が国土交通省から形式認定を受け、
日本で16番目の自動車メーカーとなったのです。
え、そんなに自動車メーカーがあったっけ?とお思いでしょ。
参考までに、16社を列挙しておきますね。
いすゞ自動車▲ 川崎重工業※ スズキ ダイハツ工業 トヨタ自動車 日産自動車 日本エレクトライク 日野自動車▲ 富士重工業 本田技研工業 マツダ 光岡自動車 三菱自動車工業 三菱ふそうトラック・バス▲ ヤマハ発動機※ UDトラックス▲ (五十音順) ※ 二輪車専業 ▲ トラック・バス専業 |
エレクトライクについて詳しくは、いつものように新聞記事を見てもらいましょうかね。
これ、東南アジアで「トゥクトゥク」という名のタクシーで使われているアレですわ。
テレビの旅番組などでよく登場しますよね。
現在では、三輪の乗り物は、条件を満たせば「側車付二輪車(トライク)」となります。(→コラム「トライク」)
道路交通法上は車扱いのため運転するには普通免許が必要ですが、
車両法上はバイクとなり、税金等で優遇され車庫証明も不要です。
そして、電動のため車検が不要。(→参考コラム「未来型電動スポーツバイク、いざ出陣!」)
公式HP(http://www.electrike.co.jp)によると、エレクトライクは航続距離が短いなどかなり割り切った仕様ですが、
荷台の使い道次第でいろいろと面白いことが出来そうですよ。
残念ながらトゥクトゥクのようにタクシーとしては使えませんが。
こういうことが出来るのもやっぱり小さな企業ならではやなぁと思いました。
もっともっと型にハマらないベンチャー企業が出てきて産業界に新風を巻き起こしてほしいですね。
参考資料:
京都新聞 2015年6月16日付朝刊、2023年11月27日付夕刊