モノクロームなトリコロール




いきなりですが、こちらの写真を見ていただきましょう↓






京都市中京区の、とある一方通行の道なのですが、3本の矢…ではなく、3色の線が引かれています。

どの色も地味陰気臭さ全開です(笑)。
写真を撮った日は天気も冴えなかったので、全面的にどんよりしていて、ああもう嫌〜。




それはともかくとして。



は言わずもがな、路側帯ですね。

クリーム色っぽいのは「地道色」といいまして、京都市内における通学路を示しているのはこの前書きました。
認知度はゼロ(笑)。



では、残りの1本は何なのでしょう。
赤茶色のように見えますが…なぜか矢印まで書いてあります。




うーん、わからへん。
…と周辺をうろついていると、答えを見つけました。


赤茶色の線は、
京都市内における自転車の通行レーンを示しているのです。
新聞のコラムにも載っていました。



矢印は、左側通行をしなさいという意味のようです。




いますよね、広い幹線道路などでも逆走(右側通行)してる自転車
アレ、危ないですよ。


最近(2013年)、
警察庁が自転車も原則として車と同じように左側通行をしなさいと通達を出しています。
守らない悪質自転車は積極的に検挙するとも言ってますし。



僕が取り上げた道は幅5mほどなので広くはないですが、そこでも守りましょうと言うことのようです。



ほら、車は一方通行でも、自転車は反対向けにも走れるところでは、
ちゃんと自転車用の停止線もありますやん(笑)。




それから、赤茶色線が引かれているのにはもうひとつ別の目的があります。



線を引くことで道を心理的に狭く見せ、
車の速度を落とさせる
というもの。



さらに、これは僕の憶測ですが…、
線を踏んで走るのをためらう人間の心理を逆手にとって、
車を道の中央を走らせるため
もあるのではと思います。

そうすれば、歩行者などのすぐそばを車がスピードを上げて通ることがなく、
安全が守られる、と。
実線ではなく、長い点線(と言うべきやろうかこの場合)になっているところも。





ま、線一本でこれだけの効果があるなら上等ではないでしょうかね。



で、さっきから何度も「赤茶色」と呼んでいる色、実は「べんがら色」という伝統色です。



狭い道にまで自転車マークが登場しています。


でも、幅が狭いため、マークと矢印のみ。
狭くても下の写真のように停止線は忘れてません(笑)。
そういや、こんなところにもべんがら色が。でも認知度はやっぱりゼロ(笑)。




目立つ色を使えばいいのに、地道色同様に地味なのを使うのは、京都の景観に配慮したからだとか。
なんでも「景観に配慮」といえば許されるのはお門違いやわ。本当に配慮しているなら京都はもっと素晴らしい街になってると思うど。



ちょっとくらい目立つ色を使って引き立てないと、目に留まりにくく、本来の目的を果たしきれへんのと違うかな?


たぶん、三重県熊野市で見かけた、下の写真のような色彩は京都ではナシなんやろう。









参考資料:京都新聞 2013年3月27日付朝刊