出てこいドッカンパワー
ああ、おれのバイク、もうワンパンチ加速が欲しいわ〜。
高速の長い上り坂や追い越し時にいつも思います。
僕の愛車「2号R」は、当時の同カテゴリのバイクの中では最速を誇っていましたけど、
やはり直列2気筒の250ccでは、ここぞという時の強い加速が足りないと感じるんです。
このままの排気量でエンジンをハイパワー化することは出来ないのやろうか?
出来ます。
エンジンはピストンの動きによる自然吸気が一般的ですが、
ポンプのようなもので空気を押し込んでやると、結果として排気量を上げたのと同じ効果(つまりハイパワー化)を出せます。
そのポンプのようなものを過給機といいます。
過給の仕組みには、ターボや、スーパーチャージャーがあります。
両者の違いは、
・排気ガスで過給機につながるタービンを回すのがターボ
・エンジンのクランク軸の出力で過給機を回すのがスーパーチャージャーです。
両者とも一長一短で、どっちが良いとは言い難いですね。
これらは、かつてはスポーツカーのハイパワー化に欠かせないものでした。
今では燃費向上のため、エンジンの排気量を落として、ターボでその減った排気量分を補ってやるのが主流です(→コラム「エンジンよ、小さくな〜れ」)。
もともと排気量が660ccと小さく非力な軽四にターボをつけて1000ccクラスの走りに!なんてのもありますね。
だったら、バイクにも過給機を付けたらいいやん…と思いますよね。
実は、過去にはあったんですよ。
ホンダから CX500TURBO(82PS)/CX650TURBO(100PS)
ヤマハから XJ650turbo(85PS)
カワサキから Z750TURBO(112PS)
スズキから XN85(673cc 85PS)
これらは1980年代初頭に登場し、
当時の1000ccクラスをカモれる性能だったそうです。
僕はCX500TURBOを、一度だけ生で見ただけですね。
それくらい希少車なんです。なぜなら、どれも1代限りで消滅しているから。
理由は簡単です。
・ニホンではターボ搭載のバイクが認可されず、逆輸入車のみだった
・当時のバイクの免許制度上、400ccを超えるバイクに乗ることが実質的に困難だった
・過給機を付けたぶん重量が増えパワーロスが発生→排気量を上げたほうが効率よくパワーアップできるから
それじゃ流行らんやろ。
だから、長い時を超えて2015年にカワサキが過給機搭載のバイクを出した時は驚いたんですよ。
まぁ、技術発展のなせる業かもしれません。
現行で唯一の、過給機搭載で公道走行可能なバイクである、
H2は スーパーチャージャーを搭載し、1000ccで231PSを発生します。
狂ってます。
たまたま見かけたので無断撮影。許せ!
そんなことを不意に思い出させたのは、
昨年(2022年)初開催された「名古屋モーターサイクルショー」で見たこのバイクでした。
直列4気筒250ccにターボを載せますか?!よくそんなスペースあったなぁ。
で、100PSって(汗)。ノーマルは45PSなのに。
最高速も250ccの数字と違うがな!速すぎです!!
エンジン出力の性能は、排気量1L(1000cc)換算で比較しますが、
このZX−25R、400PS/Lですよ!対抗馬が存在しませんやん(汗)。
…もはや、狂ってる以上の表現が見つかりません。
でも、これは乗ってみたい。
どなたかコネで試乗できる機会作ってくれませんかねぇ。
参考記事:
Webヤングマシン
https://young-machine.com/2019/12/08/51428/
Web Car Graphic
https://www.webcg.net/articles/-/47243