脱ネズミ色宣言




初めての土地を走るときに、どの車線がどの方向への分岐なのかよく分からないことがままありますよね。

個人的には阪神高速環状線を周回中のが大の苦手。
「環状」なのに、その環状ルートの車線が左に寄ったり右に寄ったりで忙しく、案内標識を見てる間がないほどです。


ヤヤコシイ代表として都市高速を挙げましたが、
街中においてもY字路やX字路、その他変則的な分かれ道などで「?」と困ったり…。



そもそも、どこもかしこも無機質なダークグレーのアスファルト舗装で変化が無いからアカンのんですよ。


と言うわけで、変化をもたせれば万事OKということで、この写真をどうぞ。








静岡県の富士山のふもとで出会ったこれ、道路の色が赤茶色と水色。度肝を抜かれましたよ。
これ、横断歩道のようにアスファルトの上にペイントしてあるわけではありません。
アスファルトそのものがこの色、いわゆる「カラー舗装」です。



ダークグレー…いや、地味にネズミ色一色というアスファルトの常識を完全に無視しています(笑)。
これだけカラフルだと心も浮き立ちますね。技術のなせる業ですね。感心感心。


なぜハデハデにしているかと言うと、
この交差点が左カーブの途中にある「ト字路」で、分岐点が分かりにくいからのようです。
これなら初めて通る僕でも間違いませんわ。



阪神高速環状線も、環状ルートの車線だけ舗装の色を変えてくれたら安心して周回出来るのに。




僕の地元にも類似品がありまして。

ここは京都市と大津市の境目。
滋賀県方面へと向かう分岐点で、撮影地点がちょうど県境です。
京都市内側からR1(五条通)と三条通が合流し、(撮影地点で振り返るとこんな感じ)

R1とR161西大津バイパスへと分かれる
X字型の交差点でして、





車線ごとに行き先が異なるため、各車線ごとに専用の信号機が設けられています。





初めて通る人は必ずと言っていいほど行き先表示に混乱。

特に他府県ナンバー車はこの信号のところ(分岐点)で間違いに気付いて慌てて車線変更をしようとし、
後続車からクラクションの嵐を食らうシーンをたびたび目撃してます。



この交差点において舗装の色を変えて分かりやすくしたのは昨年(2010(平成22)年)のこと。

五条通からR1滋賀県方面へ(左から2車線目)は赤い舗装
三条通からR161西大津バイパスへ(左から3車線目)は薄緑色の舗装となっています。
標識の矢印の色もそれに合わせて赤・緑となっていて分かりやすくなりました。


それでも間違う人はいるもので、この写真を撮影していた10分間ほどだけで
3台の車が分岐点で車線変更をしてクラクション攻撃を浴びせられてましたけど(危)。
安全に走るには、事前の標識をしっかり見てゆっくり走るのが良さそうです、ハイ。



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京都市の市街地にもごくごく一部にカラー舗装路があることはあるんですよね。

朝と夕方の通勤通学時間帯だけバス・タクシー・バイク専用車線となる北大路通

写真をよく見ていただくと、専用車線はうっすら赤いです。
しかしながら、僕は何度もこの道を走っているのに、
今回コラムのための取材で初めて色が違うのに気付く始末。

それくらい分かりづらいのです。



その訳は、京都市の景観条例と無関係ではなさそうです。

典型例をお見せしましょう。



市内中心部の御池通の歩道です。


石畳風の路面となっているこの歩道、
実は歩行者と自転車で走る場所が区分されているんです。

さてそれはどこでしょう?



答え:

上の写真から目を離して見ると、
白っぽいブロックが点線状に並んでいる
のが分かるでしょう。

これが歩行者・自転車の分離線で、車道側(写真では右側)が自転車の通り道らしいです。


新聞記事で読むまで両者の通行区分がなされているなんて知りませんでした。
「広い歩道で自転車も走りやすいなぁ〜」と思っていたのに、違ったんやね。




自転車の印のブロックも埋めこんでありますが、これにも全く気付きませんでした。





って、他に何の目印もないのにこんなんで誰が分かるんや?設計したヤツ出て来いよ。


京都市は景観景観と見栄ばかりを気にした施策を進めるあまり、
現実的でなかったり分かりにくかったり不便だったりするものが結構あります。
観光するなら、そういうものを探して歩くのも楽しいかもよ?


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※のちに、御池通の歩道は自転車と歩行者を隔てる白線が引かれました。
景観に配慮よりも、視覚的に判別出来るようにするほうが理にかなってますよね。