原付がとりなした絆
行儀が悪いとは思うのですが、
職場では休憩時間有効活用のため、スマホ片手にお昼ご飯を食べながらニュースをチェックしています。
今すぐ知っておくべきニュースにはあまり出くわしませんので、たいてい斜め読みなんですけど、
昨日のお昼は衝撃が大きくてスマホ片手にご飯を食べる手が止まってしまうほどでした。
ホンダとヤマハがバイク事業で提携するって?!
これを他で例えるならば、
GoogleがiPhoneを出すくらいの衝撃ですよ…!
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が
朴槿恵(パク・クネ)大統領と和解するくらいの衝撃ですよ…!
ありえへん。決してありえへん…はずやのに。
新聞記事を4紙 調達してきましたので並べてみます。
各誌をクリック/タップすると新しいウィンドウ/タブで大きく表示されます。
↓毎日新聞
↓朝日新聞
↓読売新聞
↓京都新聞
要約すると、
・ヤマハが原付1種(※以後「原付」)の生産をホンダに委託(OEM)し、
将来的に自社による全ての原付の生産をやめる方向
・ホンダのTACTをヤマハのJOGとして、
ホンダのGIORNO(ジョルノ)をヤマハのVINO(ビーノ)として販売する
・原付は国内のバイクの販売台数上は屋台骨となっているが、ほぼ日本のみの市場
値段が安いため利益は小さいが、ニーズがあるため止めることは出来ない
・バイク市場自体がピーク時の10分の1と縮小傾向のため、
経営資源を利幅の大きい大型バイクや、人気の高い125ccクラスに注力
・業務用バイクの共同開発も視野にいれる
・原付以外のバイクで提携することは無い
・ヤマハがホンダに折れた
僕が「ありえへん」と書いたのは、各紙の記事にもあるように、
1980年代前半(昭和50年代後半)に「HY戦争」と呼ばれた、
ホンダとヤマハによるバイク界の頂点をめぐる、消費者をそっちのけにした販売バトルがあったことを、
バイク雑誌を通じて知っていたからです。
昨日の敵は今日の友ってことなんやね。
でもなぁ…。
モーターサイクルショーで輝いていたヤマハの原付を最大限に褒め称えた(→コラム「原付見聞録」)し、
我が家で動いているバイクが4台のうち、「2号R」、シグナス、JOG(YV50)とヤマハ勢が多くを占めているなど、
かつてホンダ一筋だった僕も、いつの間にかヤマハ派に転じています。
それだけに今回の決断は、やはり消費者が遠いところにあるようで、僕にとってはガックリですね。
あと、この一件を わが道を行く スズキが黙って指くわえているはずがないので、
いつものようにピントのずれた面白い行動に出ることに期待しています(笑)。
記事転載:
毎日新聞、朝日新聞、読売新聞および京都新聞のそれぞれ2016年10月6日付朝刊