ハンドメイドで蘇る2スト




単純にバイクや車のエンジンといえば、ごく一部を除いて4ストロークエンジンを搭載しています。
これは、技術が成熟していて、環境においても最も理に適った内燃機関だからです。



ですが、平成の半ばまではバイクの世界には2ストロークエンジンというものもありました。



4ストに比べて単純な機構で、軽量コンパクト、そしてハイパワーを生み出す…。
車体の小さな小排気量車にとっては、どうしても場所を取ってしまうエンジンを小さくでき、なおかつパワフル、
そしてエンジンオイルは減ったら注ぎ足すだけ
の簡単さ。


特に2ストの原付スクーターは、バッテリーが上がってもキックペダルを用いれば容易に始動できるので、
事実上のメンテナンスフリーのバイクのようになっていました。
(→コラム「2サイクルvs4サイクル、サシで勝負!」)




しかし、パワフルさと環境への配慮という相反するものは当然両立できず、
甲高いエンジン音とオイルをガソリンに混ぜて燃やしてしまうデメリットもあり、
排気ガス規制が厳しくなるにつれて廃れていったのでした…(→コラム「85%減の彼方に」)



でも、2スト時代を知っている人たちは忘れられないはずです。
あの爆発するように吹き上がるパワーを。
4ストのターボやEVと次元の違う、あの熱い走り。


もう、思い出の中の乗り物を懐かしみ、「昔はよかった」とこぼすそこのキミ!

なんと、蘇らせたのです。
2ストのバイクを、手作りで!



イタリアの「ヴィンスモータース」がエンジンから設計し、
レーサータイプの2スト250ccのバイクを世に送り出しました。



(C)ヤングマシン


2ストバイクの象徴、排気管のチャンバーもしっかり主張してますやん。



しかも、75PSの高出力を発揮するにもかかわらず、保安部品を付けても105kgという軽い車重のおかげで、
現在最も厳しい排気ガス規制「ユーロ5」をクリアしているというんです!


「絶滅」の原因でもあり懸念だった、大気中に放出されるエンジンオイルは、
最新の電子技術が用いられ、その消費量は僅か8200km/L
かつての2スト250ccの僅か1/8〜1/10(!!)。



技術の進歩がいにしえの技術を復活させたのです。



ちなみに、燃費は15km/L台と、往年の2ストを彷彿とさせる悪さです(笑)。

でも、その分 魂を揺さぶる走りでカバーしてくれるさ!
乗ってみたい!2ストを再びわが手中に…!



…ですが、公道仕様モデルで、990万円!!値段はかつての10倍になってますがな orz




記事引用:
・response.jp
https://response.jp/article/2022/07/15/359723.html

・ヤングマシン
https://young-machine.com/2022/02/15/294066