清水寺の砦を閉じろ!(結果編)


このコラムも「目立たない予告編」「右往左往編」をセットにしてお読みください。


京都市は、他府県からの車の観光客の集中で引き起こされる
大渋滞を緩和させるための手立てとして、
2005年の11月に、観光地、清水寺につながる狭い
「五条坂」をバス・タクシー・地元の車以外を
締め出す交通社会実験
を行いました。


その結果が公式発表されていますのでご報告いたします。


まず、驚いたのは、「実験開始前の2003年の同時期に比べて、日中のマイカーの流入台数が1000台以上も減少」
したということです。


五条坂の交通規制時間帯(2005年11月19、20、26、27の10時〜17時)の流入台数は
1日あたり1114台で、2003年の同時間帯に比べて約600台の減少


マイカーは地元の許可車両など78台で、2003年の1100台から大幅に減りました。

↑…一般車は通行禁止にしてるんやから「大幅に減」るに決まってるやんか。これを新聞の見出しにしてるのはおかしいんじゃないの?
観光地である五条坂沿線に住んでる人数なんて知れてるし、ましてや渋滞してる日に車を動かす奴などいるわけないやん。


逆に、観光バスやタクシーは968台と、2003年の510台より大幅に増加
交通社会実験は事前予告されていたので、車をあきらめてバスツアーなどで五条坂に乗り込むのは目に見えてます。
旅行会社もここぞとばかりにバス旅行の商品を売り出したことでしょうね。



ほかにも、渋滞が激しい東大路通南行車線では、
東大路五条交差点を先頭にした渋滞列が2003年よりも最大で1.1km改善したそうです。


これも当然でしょう。
普段は、東大路通南行の2車線のうち左側1車線は、大渋滞で動けない五条坂に向かう愚かな車たちが列を成していたせいで
機能してませんでした
からね。
それが実験のために直進せざるを得ないのですから渋滞が緩和するに決まってますもんね。

市は「実験に一定の成果があった」と鼻高々ですが、
んなモン当たり前やないか。
これで「めちゃめちゃな結果になってしまいました、どーもスミマセン」って
ことになったら袋叩きですよ。


それよりも、
五条坂に入れず行き場を失った車や、
交通規制を知らない車で他の道が大混乱に陥った

ことについては、どうお考えなんでしょうか、
実施した京都市交通政策課の皆さん!(-_-x)   

 

こんな投書が新聞に載っていました。→


ある一文で僕の目が留まりました。

「町づくり全体を血の通ったものに改める
発想の転換が必要」


本当にそう思います。
いい加減「京都ブランド」の上にあぐらをかくのはやめて、
謙虚になりませんか。



以前の2つのコラムで僕の主張は十分出来ていますので、ここで改めて書くことはないですが、
あえてひとつだけ。


京都観光は二輪車のほうが便利ですよー。


参考資料:
(上から掲載順)
京都新聞 2005年12月21日付朝刊
毎日新聞 2005年12月14日付朝刊