もみじまで




街中を走る車のボンネットやトランクにこんな物が貼ってあるのを見かけることがあると思います。




以前コラムにしたためました「若葉のころから」の対極にあたる内容が、今回の主役です。



人間、年齢を重ねると避けられないのが、身体機能の衰えです。
言いたくないですが、老化ですね。
体の成長はだいたい20歳前後まで続き、その間は別に運動しなくても体力が勝手に向上しますが、
成長が終わり、そのまま放置すると体力がどんどん低下していきます。


僕が初めて肩が凝ってサロンパスを貼ったのは22歳のことでした。
10代のパワー有り余るころには そんな物とは生涯縁が無いだろうと思っていたので、とてもショックを受けたのを覚えています。
ハードな運動の翌日に起こる筋肉痛が、中1日を置いて起こるようになったのは27歳のころだったと思います。



気持ちでは永遠に若いと思っていても、老化はじりじりと忍び寄っているのです。
体はとっても正直です。なんと恐ろしい!!



それを防ぐには日頃から運動するのが一番。
現在の僕は 週2回のジムでの筋トレと、ランニング、それから水泳。趣味のマラソン大会が近づくと走り込みで力を蓄えたりしてます。


そのおかげで健康診断や血液検査等の結果は、太っちょにもかかわらず優秀そのもの。毎日のご飯がとてもおいしい。


そうやって常日頃運動をしてる人なら、歳を重ねても おおむね良好な体力を維持できるそうです。
でも、若かったころのように体が機敏に動かなくなる時がいつか来るはず。


そういう人たちが増えてきていますよね。
「団塊の世代」が現役引退期を迎え、超高齢化社会に向かっていますから、ニポンは。
彼らはちょうど免許を持つのが当たり前になりつつある時代に育った世代なんじゃないかなぁ。
第二の人生の趣味として車を買い換えて夫婦でドライブ…なんて高齢者もたくさんいることでしょう。



そして、それに比例して交通事故死傷者に占める高齢者の割合も増えています。
原因のひとつに
「自分の体力の衰え→反応速度が遅くなっていることに気付いていない」
というのがあったはずです。



だからこそ、高齢運転者に対する動きが起こり、まず1997(平成9)年に免許制度が改められました。



普通、免許の有効期間は3年間ですが、
70歳未満で免許更新する場合、
過去5年間無事故無違反、または3点未満の反則1回までだと、
次の免許の有効期限が5年
となります。



ところが、70歳で免許更新のときは、優良運転者でも有効期間は4年に。
71歳以上で更新だと、何があっても有効期間は3年。
しかも70歳以上で更新する際は、更新期間満了日の前3ヶ月以内に高齢者講習を受講する必要があります。


そして、70歳以上の運転者は冒頭に掲げたマークを車に貼り、
「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、暖かく見守ってくださいませ」と周囲に知らせるわけですね。


これ、2008(平成20)年6月以降、75歳以上の後期高齢者(←とっても失礼な表現や)には表示が義務となり、
違反した後期高齢者にたいして、1点の違反点数と、反則金4000円(普通車)が課されることとなっていました。
ただ、周知徹底を図るため、施行後1年間は違反をしていても指導にとどめるとなっていたのです。



で、このマークは何て名称なのか?


このマークが出だしたころはよく言われました↓



  枯れ葉マーク
  落ち葉マーク
  涙マーク




いくらなんでも、酷すぎですよ〜。
ま、パッと見と、対象者を考えると そういう印象を受けるのは否定しませんけど(笑)。
パソコンの画面の向こうのアナタはそうやって笑ってるけど、いつかはお世話になるんやで。あ、おれもか(爆笑)。



正しくはもみじマークですからね!



初めてこれが貼ってある車を見たときは、上下逆に貼ってありました。
妙な違和感を覚えましたよ。



しかし、このもみじマーク貼り付けの義務は、1件の違反の検挙もされないまま廃止に追い込まれます。

「保護のためのマークに罰則があるのはおかしい」と批判があり、後期高齢者医療制度への不満とセットで叩かれたのです。
当然といえば当然です。
そのため、わずか半年で道交法を改定されることとなり、以前のように努力義務にとどまります。
罰則の適用はなくなるということ。

さらに、不評だったもみじマークもデザインが変わりそうです
僕なら、単純に「もみじの形のマーク」にすればいいと思うのですが…。どうなりますやら。



あと、高齢者が乗ってるバイクを見るにつけ、バイクって車以上に高度な乗り物だと感じます。
理由はいうまい(笑)。




参考資料:毎日新聞 2008年12月25日付夕刊