次に煽るのは自分自身かも?!
昨年(2017(平成29)年)に東名高速道路で 起こるべくして起こってしまった、
煽り運転に起因する重大死亡事件(≠事故)。
ご存じない方のために解説しておくと、
東名高速のサービスエリアにおいて、駐車が禁止されている場所に車を停めていた人物Aが、人物Bに注意されたことに激高。
その後高速の本線上でAの車はBの車を後ろから執拗に追い回し、Bの車の前に回りこんで追い越し車線でBの車を強引に停車させ、
AとBが車外に出て追い越し車線上で揉めているところへ大型トラックがBの車に追突し、BとBの配偶者が死亡した。
…と言うもので、2017年に起こった交通事故で最悪レベルのものでした。
事故の原因はAの行動にあり、断じて許されるものではありません。
またAは以前に、一般道で同様のトラブルを引き起こしていたことが分かっています。
では、これは一体どういう罪に問えるのでしょうか。
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この事件により、「煽り運転」なる言葉が世間一般に認知されるようになりました。
一般的に「煽る」とはこのようなことを指します。
バイクや車を運転する方なら、他車から煽られた経験、あると思います。
JAFのアンケートによると、「煽られた経験がある」と答えたのはほぼ100%だったんですから。
僕も例外ではありません。
19歳のことです。
免許を取ってまだしの僕がバイクで初めて国道を走ったときに、思い切り煽られました。
たぶん、走りなれてなくてモタモタしてたんでしょうね。それが鬱陶しかったのでしょう。
あの時は、何故自分がそんな目に遭わなければならないのか分からず、恐怖におびえた記憶があります。
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件の事件、気の毒なトラックの運転手は「自動車運転過失致死傷罪」に問われました。
それよりも、Aをどういう罪状で立件するかで揉めたんです。
最初はより罪の重い「危険運転致死傷罪」の適用を目指したそうです。
しかし、事件が起こったときはAは運転をしていません。
これでは起訴できても「危険運転〜罪」では無罪になる可能性があります。
このことにより、法の不備が指摘され、警察庁が煽り運転は絶対許さないという姿勢から、
あらゆる法を適用して取り締まるように全国の警察に通達を出しました。
それが以下の表です。
煽り運転者に対しては免停も辞さない方針だそうです。
(免停の根拠は→コラム「自転車でも上限いっぱい180日」)
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ここまでは、被害者目線でした。
しかしながら、乗り物の運転は時に気が大きくなり、
些細なことで立場が逆転することだってあるんです。
これを読むと、他のコラムでエラそうなことを書いてる僕も人のことが言えなくなりました。
もしそういうシーンに遭遇しても、速度を抑えて深呼吸し、同じ穴のムジナにならないよう冷静になるように努めます。
そういう奴らにレベル合わすだけアホらしいもん。
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のちに、高速道路上での低速走行や停車も危険運転と定められました(→コラム「15番目のKIKEN運転」)
記事引用(初出順):
毎日新聞 2017年10月19日付朝刊
京都新聞 2018年1月17日付朝刊
朝日新聞デジタル 2017年11月1日付配信記事