バイクのない生活
HPを見てくださっている皆さんは、バイクが好きであったり、興味をもたれていることでしょう。
もし、それが無くなったら…どうします?
僕にも、大好きなバイクとしばらく縁が切れたことがありました。
そのときの短い思い出を書いてみたくなりました。
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2007年8月26日。
連日のように気温が体温を超え、全国各地で熱中症者が出るほどの うだるような暑さが続いていた日の出来事。
水浴びを兼ねて「2相棒」の洗車をしていた僕は、ラジエターのリザーバータンクの異変に気付きます。
「空っぽやん」
ここにはラジエター液(冷却水)が満たされていないといけないのに、それがカラだったのです。
走行中、「2相棒」の水温が120℃など異常な上昇を見せていましたが、
放熱の強いバイクのこと、気に留めていませんでした。
が、そうではなくて、どこからかラジエター液が漏れて不足し、冷却が追いつかず
オーバーヒートの一歩手前だったのです。
バイクの点検をバイク屋などのプロに一度も見てもらうことなく、自分で適当に整備し、
ユーザー車検ばかりしていたせいで、バイクの不調を見抜けなかった…、
僕のミスです。
すぐにバイク屋に入院させることにしました。
しかし、先客の修理がたまっていて、「2相棒」が直るまでには2週間もかかると、シビアな宣告がなされます。
長いけど、他に頼む店が無く、しぶしぶ承知。
車の修理でしたら、こういうとき代車を出してもらえますが、
バイクにはそんな気の利いたものは無いです(もしあるところをご存知でしたら教えてください)。
バイクを預けた僕は、牙を抜かれた猛獣状態。
メットだけ持ち、とぼとぼ来た道を歩いて帰りました。
我が家にはLEADとDioがありますが、それぞれ母親と弟が毎日乗っているので、僕はバイクに乗れません。
ま、バイクが無くても どうということも無かろう…と軽い気持ちでいました。たかが2週間やん。
それが甘かった。
いつものバイクで通勤から、とりあえず車通勤にシフト。
滅多に乗らないので走行距離も少なく、高年式の割にボロい愛車「ゴミリオ」で出発。
快適ですね。酷暑だろうがクーラーを利かせば涼しいし。
フルフェイスをかぶって信号待ちごとに汗をだらだら流すことも無いですし。
バイクと違って大船に乗ってるような感覚になります。
このまま車通勤に完全移行してしまおうかな…。
そんな気分は車通勤を始めた当初だけでした。
3日もすると、車で走っている僕の横をバイクがどんどん抜いていくのが羨ましく見え、
渋滞にハマると、車なのにすり抜けしたい欲望が高まってきました。
って、なんでおれは車に乗ってるんや?!キーッ!o(`皿´*)o
これじゃあ禁断症状みたいやないか(笑)。
バイクがないと出かける気にもならない。ちょっとそこまで買い物…に、いちいち車に乗る気も起こりませんし、
汗っかきの僕には真夏の自転車は拷問に等しく、休日は半ば引きこもりになってましたね。
数日経ったある日、弟が仕事が休みというのでDioを借りて通勤できたことがありました。
普段800ccに乗ってると原チャなんて頼りないとお思いでしょうが、
この日の僕の「一言エンマ帳」には、こう記されていました。
「9月4日(火) いつも車通勤やけど、今日は弟のDio、やっぱりバイクは気持ちいい! (中略)仕事でも、おれ調子いい!トラックで走りまくり! 相方に『えいまる君のトラック(に乗ってる)と思えへんわ』と言われるほどハイテンションな走り。」 |
いつも仕事ではドロガメな運転で、仕事上がりは最下位が定位置。
仲間内から常に「遅い」と文句を言われるザマですが、この日の僕は相当キレた走りをしていたようです。
一番に事務所に帰ってきて、同僚らも驚いてましたし(笑)。
相方に「どうしたんや えいまる君。何かエエことでもあったんか?」と聞かれた僕は、即答していました。
今日はバイクで通勤してるから。
そう言ってからハッとしました。
おれはバイクから力をもらってるんや。
僕がバイク乗りになってから、長い月日がたっています。
いつも自分の身近などこかにバイクがあり、切っても切れない間柄になっていたのです。
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9月9日。ラジエター周りの修理が終わり、「2相棒」は退院しました。
当初の予定通り2週間で僕の元に戻ってきましたが、その2週間の長かったこと。
我慢の限界に達し、この日にバイク屋から連絡が無かったら、怒鳴り込みに行こうかと考えていたほどでした。
そのまままっすぐ家に帰るのが勿体なくて、わざわざ遠回りして帰宅。
翌日から「2相棒」と出勤。その日のエンマ帳には「うれしくて仕方がない!」と記されていました。
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僕は、いい意味でバイクと共存してるんですね。
それが原チャであろうが、リッターバイクであろうが、そんなものは関係ない。
なくなって初めて分かるありがたさ、それが分かっただけでも大きな収穫となった2週間でした。
だからこそ、これからも大切に乗っていけるよう、メンテナンスは入念にしなきゃなと感じています。