足すのか、換えるのか…それが問題や




このコラムは「2サイクル vs 4サイクル、ランニングコストで勝負だ!」の派生記事です。

現在では、2サイクルエンジンのバイクは希少価値があるほど台数を減らしていますが、
今後の参考のためにコラムにしました。


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2サイクルの原チャって、時代に逆行するほどの不経済さで、
存在価値など無いのではないか…。



…と思ったのですが、2サイクルに軍配が上がる点が、ひとつだけあります。
オイル関係です。


4サイクルは定期的にオイル交換をしてやる必要があります。
馴染みのバイク屋さんがあればそこに頼めばいいですが、それがない場合は、自分で交換しなくてはいけません。



自分でする場合、


・エンジンの下にあるドレンボルトを外して古いオイルを抜く手間
・抜いたオイルを「固めるテンプル」のようなオイル凝固剤で固める手間
 (固めずそのまま捨てると、廃棄物処理法違反になります)、
・市販のオイルも、最低でも1L缶からですので、たいてい余り、その管理の手間
 (適切に保管しないとオイルは劣化します)、

(→コラム「よいこの(ちょっぴりアバウトな)エンジンオイル交換」)



etcetc…バイク好きでなければ結構面倒な作業です。手も汚れますしねぇ。
こんなことを買い物にしか使わないオバチャンまでもがするとは考えられませんわ。



その点、2サイクルはオイルが減って、オイル残量不足警告ランプが点灯 したら、

ホームセンターなどで売ってるオイルを買ってきて、
補充してやればいいだけ
ですので、お手軽度では4サイクルは足元にも及びません。
その点とエコノミーさを天秤にかけて、どちらの原チャを選ぶかはあなた次第。



これを分離給油といいまして、仕組みは以下のとおり。







オイルの警告灯は、こんな風になっています。












あと、2サイクル→4サイクル原チャに移行した人の中には、ひょっとしたら、


≪オイルを補充しなくていい→オイル関係はメンテナンス不要≫


と思い込んでる人がいないとも言い切れませんよね。
そんなはずがなく、車と同様ですよね。それで納得してくれれば話は早いです。



けれども、車に興味のない方の中には、オイル交換は車検の時にだけディーラーで勝手にしてくれるから、
本人はまるで分かってないって話も ちょくちょく聞きますし(恐ろしい)。



まだ、車は車検があるだけマシですよ。
原チャには車検がないので、
オイルは交換されず放ったらかしになる→次第にオイルが劣化→いつかエンジンが焼きついて立ち往生
なんてこともありえます。実際にそうなってる方がおられてもおかしくないですよね。



4サイクルの一部のバイクには、交換時期お知らせ機能が搭載されています。

こんな感じです。


















それすら「なんで色が変わってるんやろ?ま、いいか」と気にしなくなったら、かなりの無頓着やね。



オイル交換をしなかったせいでエンジンが逝き、バイクが動かなくなったときのオバチャンの行動サンプル↓

 モー、動かなくなったじゃない。何でなのよ〜。

 (とりあえずバイクをあちこち叩いてみる→動かない)

 不良品よ不良品!こんなボロバイクを売りつけた店にモンク言ってやるわキー!

 (店にて。自分が悪いのに)全面的にアンタが悪いのよ!弁償しなさいよ!!今すぐ新車と交換してちょうだい!!!

 どうしてバイクを交換してくれないのよ!オイル交換って、そんな話聞いたことないわよ、
 大体オイルを入れるところが無いじゃないムキー!!



そうならないように、行きつけのバイク屋さんでは、お客さんにくどいほどオイル交換の重要性を説明するそうです。
環境にやさしい4サイクル原チャが次々とエンジンがおシャカになって廃車の山を築かないためにも。



メーカーにしたら、メンテ不足で廃車にしてくれたほうが、新車が売れるのでウハウハかも知れませ…
4サイクル化の真実はひょっとしてメーカーの陰b…グサッ、バタッ(倒)



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※2サイクル車の中には、ガソリン給油時に決められた割合のオイルをタンクへ一緒に入れる仕組みのものがあります。
これを混合給油といいいます。



この方式を採用している車種はほとんどないのですが、
オイルポンプの故障などでオイル供給が出来ない場合に備えて仕組みだけご紹介しておきます。


※2サイクルでもMT車はエンジンオイルとは別にミッションオイルが必要で、
 4サイクル同様に定期的な交換が必要です。


※スクーターでもギアオイルが別に封入されていて、交換することで性能を維持できます。
 (ほとんどの場合、換えませんが)