サイレンス・キラー
1997(平成9)年にエンジンとモーターの両方を使って走るハイブリッドカー(HV)が世に出てきて、まもなく20年。
ニホンの車の世界ではHVがすっかり主導権を握るに至っています。
HVを出してない国内メーカーってダイハツとマツダくらいじゃないの?
(※どうやらマツダもHVに手を出す模様。ディーゼル車はどうした?)
でも、未だに慣れないことがあります。
静かすぎること。
バッテリーの性能が飛躍的に向上したため、
モーターだけで走行できるシチュエーションも広がりました。
エンジンの効率が悪い、発進〜低速走行時などはモーターのみで走行することが多く、
速度が遅いためタイヤが発するロードノイズも小さいので、自転車のようにスーッと音もなく走ります。
道を歩いていて後ろからHVが迫ってきても、あれだけの大きさがあるにもかかわらず全く気付かず、
不意に追い抜かれて心臓がキュッと縮こまり冷や汗をかくこともしばしば。
イヤホンを耳に突っ込んで自分の世界に没頭している人なんか、轢かれるまで気付かへんやろうな(笑)。
もし高齢者などが同様のシチュエーションで驚きのあまり心臓がキュッと止まったら、HVが殺人罪でタイホされるんでしょうか(違)。
僕、このことについて10年以上も前に問題提起をしてたんです(→コラム「次世代バイクの蛇足」)。
でもずっと事実上野放しにされてきました。
きっとHVのラインアップが最も充実しているトヨ●様にコビ売ってたんでしょう(被害妄想)。
ここにきてようやく国土交通省が重い腰を上げたのです。
強制的に音を鳴らして車の接近を知らせるようにするんですって。
具体的には次のとおり。
まぁ、バイクのヘッドライトが安全のためにエンジン始動と共に強制的に点灯するようになってるのと同じようなものですね。
(→コラム「消せないんです」)
静かな御三家、HVと電気自動車、燃料電池車が音を鳴らす対象とのこと。
って、今まででHVが音を鳴らして走ってるのなんて出くわしたことないど。
それどころか、そういう仕組みがあることすら知りませんでした。僕の所有している車は普通のガソリン車やし。
どのHVも静かに走ってる。つまり、全員がスイッチをオフにしてるってことか?
それでは何の意味もあらへんやん。音声停止スイッチが禁止になるわけや。
車が発する音が、どういう音になるのかは知りませんが、
これからは不自然な人工音があちらこちらで聞こえることになるのでしょうね(笑)。
それはそれで騒音公害と苦情が出そうですが(汗)。どっちがエエねん。
記事引用:朝日新聞 2016年10月6日付朝刊