おじいちゃんの御霊に



今年は母方の祖父の初盆。

あの世で生活する先祖たちの魂がこの世に帰ってこられるのが、お盆。
そしてあの世にお帰りになる魂を見送る
夏の京都の夜空を焦がす一大イベント、五山の送り火


毎年原チャですべての送り火を巡るのが僕の楽しみでした。
毎度の、むちゃくちゃ走行をHPにさらしまくってますもんね(笑)。



けれども、今年はどうしても時間の都合がつかず見に行かないつもりでした。
罰当たりかな…。

↑京都新聞2006年8月17日付朝刊



2006年8月16日、20時半。
帰宅した僕はテレビで五山の送り火が焚かれているのを観て、気が変わりました。


今から見に行こう!やっぱりおじいちゃんを見送らなければ。
わずかな差であの世に旅立たれた時に間に合わなかった償いもあるし。
着ていた小汚い服を脱ぎ捨てきれいな服に着替え、「2相棒」と京都市内へと飛び出していきました。



R1を西へ西へ。でも飛ばさない。こんなときに事故ったら洒落にならないですからね。
はやる気持ちを抑えつつ送り火が見られる場所へ向かいます。


この時間からだと、
20時〜20時15分ころに点火される「大」「妙法」「舟形」は火を消されてしまい見られないことは
わかっていましたので、いきなり「左大文字」へ。


自宅から10km、20時45分。西大路五条交差点から西大路通りを北上すると、


真正面に夜空に浮かぶ「左大文字」が。


間に合った!!おじいちゃん、僕が見送りに来たで!!!!!
万歳したいところですが、走りながら万歳したらバランス崩してコケるので、我慢。
もう大興奮です。ああ来てよかった。



あんまり興奮している場合じゃないです。
西大路通北行きは「左大文字」がバッチリ見えるポイントですので、
交通量が多く、送り火を見ながらノロノロ走ってる車多数。
それを適当にかわして前へと進みます。
ま、大きなバイクですので原チャのときのように過激な走行はできませんが(笑)。
いつもは南行きでバックミラーに「左大文字」をうつしてみてますが、じかにしっかり見るのはいつ以来やろう…。



他にこの時間から見られる送り火は最後に点火される「鳥居」です。



西大路御池から御池通を西へ。天神川御池から天神川通を北へ。
天神川丸太町から丸太町通を西へ。


車の少ないルートを選んだつもりですが、赤信号の多いこと!
時間がないのに何度も赤信号にかかり、そのたびに「2相棒」の燃料タンクをこぶしでごんごん叩きながら
「早く信号変われ〜」と信号に念力を送る(笑)。
そんなことをしても信号が早く変わることなどなく、こぶしが痛いだけでした(涙)。



丸太町通に入ると、歩道を歩いている人や、いかにも「五山の送り火を追いかけてます!的バイクが増えます。
しかし、大半の歩いている人の方向は、「鳥居」に背を向ける形。
まさか…いや、最後まで諦めへんで!


嵐山の近くの開けた場所からいつも「鳥居」を見ていてます。
21時丁度。着きました…がほとんど消されていました。サービスしてもう少し長く点しておいてほしかった〜(自分勝手)



…ごめん、頑張ったけどまた間に合わへんかったわ。
あの世に帰るおじいちゃんに謝りながら手を合わせました。
許してもらえるかな。



帰り道のセルフのスタンドでガソリンを入れていると、大阪に仮住まいの悪友「真宗Jr」こと「T」からメール。

T 「大門寺(原文のまま)
  今年は達成か?」


おれ 「自分のバイクで行った。少しでも見られて良かった!」

T 「あかんな〜。
  原チャが基本のえいまるがこれぢゃ〜ね。。。」


おれ 「原チャでは間に合わなかったよ」

T 「残念〜
  『えいまる』らしくない。。。」


おれ 「時間があれば弟のボロ原チャ(Dio)で回りたかったんやけど。無念や〜(涙)。」

T 「49のソコヂカラ不足ってとこやな。
  今年のコラムが愉しみやわ。。。」



キツいこと書いてくれるやん。過去4年連続原チャで回っただけに、今回は初盆の上に手抜きやったしなぁ。
来年は、再び原チャで回るど〜。


(2006.8.30)