真夏の拷問




夏は暑い! 暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑いあーつーいーーー!!
こんな日はエアコンの効いた部屋で冷たいものを飲みながらゴロゴロするのが一番!

そんなひ弱なことで鬼畜米英に勝てると思っているのか、非国民が!!
ニポン男児たるもの、忍耐あるのみ!来る本土決戦にむけて竹ヤリ訓練だ、すぐ表に出ろ!!!



…なんか途中から文章が間違ってる気がしますが、HP主催者の頭も暑さでヤられてしまったのでしょう(笑)。



暑さにことさら弱いくせに、灼熱盆地・京都に住む僕。
カンカン照りの日差しの下、近所まで歩いて出かけるのですら汗をだらだら流し、
犬に負けないくらい舌を出しゼーハーゼーハーする軟弱ぶりです。
夏の間だけは涼しい高原で欧米ばりに2ヶ月くらいバカンスを楽しみたいものや。

休み明けに出勤したら籍がなくなってるな、きっと(笑)。



まーそうもいいながらも、
わざわざ鈴鹿8耐に出かけてみたり(2002年)、
伊吹山の登山マラソン(「かっとび伊吹」;2005年)に出てみたり、
自ら苦行の道を選んだりすることもありました。
が、どちらもただ観戦したり、山頂で初秋の涼しさを味わったりと、一部生ぬるい点があったことは極めて遺憾なことです。



2006年8月27日。
まさかこの日が今までの人生においてベスト3に入るくらい苦しく長い日になろうとは…。


滋賀県の琵琶湖北部に位置する長浜市(旧浅井町・旧びわ町)において、
第21回びわ湖ジョギングコンサートが開催されました。



フォークシンガーの高石ともや氏と、
ソウルオリンピックのマラソンランナー・浅井えり子氏をゲストに招くいう、
ローカル大会とは思えない(大変失礼m(_ _)m) 10km/3kmのマラソン大会です。         
大会開催のあいさつで、この2人が毎年コンビを組んでいることを知りましたが…。
大会の後には高石ともや氏のコンサートもあります。



参加賞にはミズノ製のTシャツ地元産のぶどう1房。それを目当てに参加したのが本音だったり(笑)。
相変わらずモノで釣られてます(笑)。
小学生から参加できるので、会場にはナンバーカードをつけたお子様がうじゃうじゃしていました。

そんな気軽なマラソン大会が拷問に化けることなど、このときには思いもよらなかったのですから。



8月の最後の日曜。朝晩は少々涼しさを感じるようになりましたが、日が照るとまだ真夏です。
走った後に思ったのですがマラソンに関していうならシーズンは秋から春先までであって、
ギラギラ太陽ので走るなんて、ムボーと言う単語以外にどんな言葉を当てはめればいいのか分かりません。


夏場の平地のマラソン大会に出るのは初めてですので、そういうことがまるっきりわかっていなかったのです。
いつも言うことですが、何にしても“知らない”ってのは本当に恐ろしいことですね。
モノで釣られて参加してる単純な僕には特に(笑)。



10kmの大会は何度も出ていて走りなれていますので、今回も余裕だろうと高をくくり、ろくに走りこみもせず、
前日にはジムでベンチプレスしたり、バーベル担いでスクワットをガシガシしまくったりと
筋トレに精を出していた
のでした(笑)。


----------


さて当日。
中学からの長い縁である「西(仮名)」と2人で電車やバスを乗り継ぎ、会場へ。
出走の10時10分にはお天道様がしっかり睨みをきかし、じっとしているだけでも汗が滴ります。



スタート地点は黄色く色づく稲穂で満たされた田園地帯のど真ん中。どこから走らすんや(笑)。

号砲とともに1529人(10kmの部エントリー者総数)が黄色…と、いうか、
黄金の宮殿に敷かれた一本のじゅうたんの上を走り出しました。
赤じゅうたんだと雰囲気もいいのでしょうが、あいにく無粋なアスファルトのじゅうたんですorz



そんな風景を美しく感じていましたが、それは最初のうちだけで、
延々と黄金の平原と直線のじゅうたんが続くので次第に見飽きてきます。
どれだけ走ったかの距離感も掴めませんし。



そして暑いの何の。道路の温度計は31℃を指しています。風がそよいでいますがちっとも涼しくありません。
湿度が高いのでしょう、なんといっても湖のそばですからね。


道中に給水所が4ヶ所あり、もらった冷たい水を飲み頭からかぶり、それでも暑さは引きません。
沿道に消火栓から伸ばした消防のホースに穴を開けて噴水状にしたものが2ヶ所ほどあったので全身に浴びました。
濡れたウェアが体にまとわりつき走りにくいです。



さらに前日の筋トレの筋肉痛が足に襲い掛かりました。パンパンに張っています。
腕も重いです。バーベルカールをしたせいでしょう。ショルダープレスもしているので、肩もごりごりです。
これでは腕が思うように振れへんやん!

最初のうちは「西」の前を走っていた僕ですが、5km地点の給水所で抜かれ、その差もじりじりと開き始めました。
自分で走る条件を悪くしているので、どこの誰にも文句が言えません(涙)。


その上に夏の太陽の攻撃です。
コース中に日陰が全くなく、体力の消耗は激しいです。
走りこみ不足も手伝って3km地点くらいで息が上がり始めました。こんなに早くヘバるのは初めてです。
恐るべし夏の大会。



正直、歩いてしまいたかったんです。
けれども、一度歩くと競技を投げ出してしまいそうでしたのでトロトロでも走り続けなくてはいけない。
めまいがしてきましたが、それでも走ります。
沿道で小さな子供たちまでが応援してくれているんですもん、止めたくないやん。
僕の直後を走っていたランナーの一人は倒れたそうですが…大丈夫やったかな。



走っていると、コースの警備をしているボランティアのオバちゃんに、
田んぼからの帰りらしきKトラのオッサンが突っかかっている
のが目に入りました。

「(ランナーを)止めたらええやろ」とキレる農家のオッサン。
どうやらコースを横断して横の湖岸道路に出たい様子です。


Kトラ1台横断のために大量のランナーの足を止めさせろって、この人アホか。
第一あんた地元の人間やろ。毎年開催してコース周辺には交通規制の看板も多数立っているのを知らんかったとは言わせへんど。


立ち止まって押し問答の続きを聞いてみたい気もしました(笑)。多分渡らせてもらえなかったでしょうよ。



ゴール近くではあの浅井えり子が沿道から応援をしてくれました。ばっちりハイタッチを決めましたよ。
自身のレースが終わってもランナーのことを思ってくれる姿勢が元気づけてくれます。
浅井えり子って随分オバちゃんになったな〜、が率直なところ。
ま、現役だったソウルオリンピックからもう18年もたってるからなぁ。



何とか完走しました。時間は過去最低の57分18秒。「西」は56分。
ううう、何も運動してないヤツにまたもや負けてしまった(涙)。
たったの10kmなのに、フルマラソンを走った並の疲労感。残り1kmあたりからが特に長かったです。
ゴール直後にスポーツドリンクの提供があり3杯も立て続けに飲み干しても、まだのどが渇くほど。



やっぱり真夏は走るもんじゃないですわ。
出場していた多数のランナーは僕も含めて皆“M”ではないのかと思いました(笑)。
そして、ゴールした瞬間にすべてを忘れる僕は、来年も出てるかもよ?自ら苦しみのなかへ(爆笑)。



それより、走り終わったら全身汗や給水の水まみれでぼとぼと。そのまま横の琵琶湖に飛び込みたかったよ!

(2006.8.29)