沖縄のクルマ事情(2) 2005年3月8日・晴れ



この文章は後編です。前編を読まれて無い方はこちらからどうぞ。


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国道58号をひたすら北へ。さらに交通量が少なくなっていきます。
そりゃそうです。本島の北部は人口が少ないので車も走っていないのです。


そうなると目立ってくるのがレンタカーです。
沖縄は車社会のため、パック旅行にレンタカーが標準で付いてることが多いと前編で書きましたが、
その数は非常に多いです。


車で走り始めたころは、周囲に現れるレンタカーを見ては、「あ、またレンタカーや」などといちいち言っていたのですが、
途中からはもうそんなことを言い飽きるくらい見慣れてしまうほどだった、「わ」ナンバー。


レンタカーのナンバーは「沖縄502わ○○○○」が標準。「502」も払い出しが終わりそうな勢いでしたが。
ちなみに京都のレンタカーは、まだ「京都500わ○○○○」が普通。

それだけ沖縄はレンタカーの洪水なんです。それだけにクルマのサイクルも早い様子です。
レンタカーの大名行列など当たり前です。
ちょっとした観光スポットに停まっている車は、ほぼ間違いなくレンタカー
「コンパクトカーを見たらレンタカーと思え」というくらい、その手の車は溢れています。
「わ」ナンバーが普通の光景に見えてきましたよ(笑)。


ついでにタイトルどおり、沖縄県民の車についても触れておきましょう。

まず、都市部でなら頻繁に見かける車が、沖縄だけは例外的に、ほとんど走っていません。


それは、高級車と外車です。



ファミリーカーなどは普通に走っていますが、セダンなどでも、せいぜい2000〜2500ccクラスまで。
それ以上の物、特にベンツやセルシオといった、数百万〜一千万クラスの車を沖縄で見かけることは極めて稀です。

なぜだか分かるでしょうか?


沖縄には大きな会社の本社などがほとんど無いので、エライさんが乗る車は少ない…というのもあるでしょうが、
もっと根本的な問題があるからです。


台風と塩害


中にいれば広いと思わせる沖縄本島も、結局は小さな島。潮風が内陸まで入ってきそうです。
発生する台風は、ピンポイントで沖縄を襲います。

ここで高い車を持っていても、すぐに傷んでしまうので割が合わないからです。
そのために、街中を走る車は、妙に庶民的な感じを受けました。

高級車に生涯縁がないだろう僕にはどーだっていいことですが(笑)。


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そうこうしているうちに、本島の最北端、辺戸岬に到着です。
ここまでの所要時間は休憩も含めて6時間、距離は150km超といったところでしょうか。
ここの駐車場に停まっている数台の車も、ほとんどがレンタカーでした(笑)。


岬には「祖国復帰闘争碑」が建ち、ここにも沖縄の歴史が刻み込まれています。
サンゴ礁で出来た岬の先に立ち、遥か彼方に目をやると、
鹿児島県最南端の島、与論島がかすかに見えます。
ここで転ぶと、とがったサンゴ礁で大怪我をしそうな予感。


そばの店で、今度こそ紅芋(べにいも)ソフトクリームを食べられました。
淡い紫色でほんのり芋の香りが。


この紅芋は
生のままでは本島からの持ち出しが禁止
されている植物のひとつです。
病原菌対策だったかな?



ここから先は、本島の北東部、手付かずの原生林が数多く残っている、
やんばるの森
へ。
森に入る地点で、沖縄本島を南北に貫くR58の最北端にさしかかります。
海を越え九州までR58は続いていますが、沖縄本島のR58はここが最北端。



「Origin」などと書いてあると、おセンチな僕はしばし感傷に浸るのですが、
ここにはちょっとした碑と僅かばかりの家が建ってるだけで、
ほかにはなーんにもありません。


買い物にはどこまで行かなけりゃいけないんだ?と思うほど、超ド田舎です。
たまーに通りかかる車も止まることなく通過あるのみ。
記念碑や標識をパシャパシャとカメラに納めている僕は、明らかに不審な観光客です(笑)。




さて、国道から県道に入り、原生林の中を疾走します。
正直、こんな中にアスファルトの道路を通してもいいのだろうかと疑問に思っちゃいます。
あえて自然を残しておくのが良かろう…そう感じるほど立派な原生林が道路に迫ってきます。
車を停めて眺めてみましたが、本土では見かけることの無い、いかにも南国風の樹木が密生しています。
ジャングルみたいで少々不気味です。



え、絶滅危惧種が飛び出してくるの?
出くわさないかな〜。捕まえて、似たところで九官鳥とすり替えてお持ち帰りするのに〜と期待したのですが、

 


残念ながら見たのは似ても似つかぬカラスばっかりでした(涙)。


大きな自然が残っている本島北部の中に、
非常に大きな米軍の演習場が潜んでいます。


至る所にあるこの看板。とっても威圧的ですね。
勝手にこの地を占領しているA国の大統領は、某イスラム圏国を「悪の枢軸」と言いましたが、
オマエん所のほうが悪の枢軸やろう。


こんなすばらしい自然を
自国の戦争技術向上のために使ってるくせに。

人のものやから好き勝手に破壊しても、懐も痛まへんしなぁ(皮肉)


とまぁ、毒づきまくっていたのですが、
演習場の入り口付近をトコトコとこっちに向かって歩いてきた一人の米兵
車の僕たちへおもむろに親しそうに手を挙げてきました。
意外な行動に、僕も右手を挙げて挨拶していました。


60年ほど前は「鬼畜」などと呼ばれ人間以外のイキモノと思われていましたが、
ここにいる米兵たちはやっぱり罪は無いわけで。血の通った人間なんですよね。


門番も来客が無いらしく(こんな森の中に来客があったら驚くが(笑))、
かなりヒマそうにしてました。



って、左手をチェンジレバーににき、右手で片手運転していた僕。
米兵に向かって手を挙げた途端、急に車があらぬ方向へ流れ出したではないですか!!
って、右手を挙げたからハンドルがフリーになってるやん!

あわてて挙げていた手を下ろし軌道修正。よこで「高」が僕のおマヌケな行動に爆笑していました(-_-x)


しばらく大自然を満喫した後、再び名護へ。ここから高速に乗り、一気に那覇まで戻ります。


レンタカーの返却時間も迫っていたので。あちこちで停車しまくっていたので時間が足りなくなったのです。
もっと行きたいところはあったのですが、涙をのみました。

沖縄自動車道は本土の高速より料金が割安です。
全線(那覇〜許田)を乗っても普通車で1000円。時間を金で買ったと思えば安いものです。
ま、法定速度が全線において80km/hなのは納得がいきませんが。
空いてるのに…。

標識は、たいていが日本語と英語の併記です。理由はいうまでもありませんね?(笑)



那覇に着き、ガソリンを満タンにして返却。
燃費はリッター15kmを記録。この手の車にしたら優秀ですね。
ガソリンもレギュラー103円(税込)と本土より10円以上安いので、さらに懐にやさしかったです。
物価が全体に安いと「高」はいいます。でも、給料も安いから結局は一緒や、と(笑)。



晩飯は国際通り沿いのステーキハウスへ。沖縄はステーキも名物らしいです。
せっかくだからと、ミーバイ(白身魚)とステーキのセットを頼んだら、バターがこってり使ってあって、くどかったです。
おいしかったけど、のどが渇いた(笑)。



ちなみに、初日と2日目の夜に、短パンをはいてシティハーフマラソンに向けてランニングをするなど日常と変わらぬことをしていて、
「高」からヒンシュクを買っていたのは言うまでもありません(笑)。

だって、沖縄から帰った3日後にはハーフマラソンを走らなきゃいけないんだもん。
そんなときに旅行に行くなという声が聞こえないでもないが(笑)。