生駒山かて知ってるで(前編・阪奈道路編)



NHKのTV番組「みんなのうた」で、1980年ごろに流れていた、こういう歌詞の曲があったのをご存知でしょうか。






ボクたちおおさかの こどもやでェ!
まちじゅうのことなら なんでもしってるでェ
すみからすみまで ろじのうらまでェ
ボクらのあそびば ひろいんや
……」



僕自身は「みんなのうた」で聴いたわけではないですが、
僕が子供のときに買ってもらって、今も持っている「カセット絵本 アポッコ59」に収録されている、
この曲が今回の原ツーの目的地を決定づけました。


2番の歌詞のサビは こうです。







あのねェボクねェいうたろか
どうぶつえんも しってるで
つうてんかくかて しってるで
おおさかじょうも しってるで
いこまやまかて しってるで
……」



そうや、生駒へ行こう!
大阪府と奈良県の県境になっている、生駒山へ。

尾根伝いに伸びる信貴生駒スカイライン(以下、生駒スカイライン)」を走破しよう。
いまだ原ツーでは訪れたことの無い、南行き。
真冬のツーリングもオツなモンやん。即決定。

2004年2月1日、日曜日
立春も近いからか、陽射しも暖かく「ツーリングに出なさい」と太陽も言っているようです。


防寒装備OK。いくら陽射しが暖かくても軽装は禁物
走ってると寒いですし、目的地は山の上。ちゃんと冬の格好をしておかないと風邪を引きます。

10時過ぎに自宅を出発。

先月、LEADの駆動系をオーバーホールしたので、走行距離30000km近いコイツですが、走りは超快適。
今までの感覚でオーバーにアクセルを開けると、あっさりメーターを振り切ります。
オーバーホール前は全開でも60km/hに届かなかったのに。
気を抜いて元気よく走りすぎるとK察の餌食になりますので、控えめに走行。
その「控えめ」な速度が作りにくくなりました。それぐらい快調に走ります。
最高!

ただ、ツーリングマップルに「生駒スカイライン」のバイクの通行料金が書いてなかったのが、
ずっと頭に引っかかっていました。

のちに重大な見落としがあったことを知ります。


ルートは以下の通りです。

自宅(京都市山科区)→<外環状線>→観月橋(京都市伏見区)→<R24>→奈良市→
→<県道1号>→阪奈道路→<信貴生駒スカイライン入口>→<県道8号>→大阪府大東市→

→<R170>→大阪府東大阪市→<R308>→暗峠→奈良県生駒市→奈良市→<R369>→奈良公園→
→<R24>→観月橋→<外環状線>→自宅

注:このページ「前編」で扱っている行程は、大阪府大東市まで。それ以降のものは、「後編」に。



R24を南へ一直線。京都府城陽市を抜けると、木津川の堤防をしばらく走ります。
建物は全て見下ろす位置にありますので見通しが良いです。
普段は混雑するのですが、このときは交通量も比較的少ないめでしたので、のんびり癒されながら走ります。
ただ、この堤防上は、当然のようにネズミ捕りが仕掛けられてますので、適度な緊張はしていますよ。


自宅から40kmで奈良市に入ります。1時間半近く走り続けていますが、何のトラブルも無し。
寒さも思ったよりマシで、僕の周りは平和が保たれたままです。


奈良市内はセルフ式のガソリンスタンドが多く、価格競争も激しいらしく、ガソリンの値段が京都市内より格段に安いです。
そのひとつのセルフスタンドで、LEADに食事。ハイオクがリッター100円と安いのが魅力。
※2004年2月現在、LEADはハイオク仕様です。


さぁ、生駒山へ向かうぞ〜。
このときは、あと30分もしないうちに顔面蒼白イベントが起こるなど考える由もありませんでした。



国道をそれ、県道1号線へ。第二阪奈道路(有料道路)との分岐を過ぎ、阪奈道路(無料)に入ります。
地図上で見る阪奈道路は、いかにも狭そうな山道
ここものびのび走れそうやなぁと思っていました。


阪奈道路に入った瞬間、自分のあまりの無知さを肌で知ります。

どう見ても、高速道路のような4車線の広いバイパス道路が 
目の前に広がっていました。


制限速度は60km/hですが、車はお構い無しにビュンビュン飛ばしていきます。
あああ穴があったら入りたいってのは、このことや〜(ToT)




でも、生駒スカイラインの入口は、阪奈道路と接続していますので、ここを走らないわけにはいきません。
腹をくくりました。

いつもなら原チャでも堂々と道の真ん中を走りますが、
この時ばかりは路肩の隅っこをとぼとぼ走らざるを得ませんでした。
だって、阪奈道路は取締りドル箱道路だって某HPに書いてあったんですから!!


とりあえず、怖い。ずっと広い路肩があるわけではなく、ところどころ路肩がなくなるので、
その時はビビりながら本線車線に踏み入れます。だらだらした上り坂ですので、何か起こっても「急加速で回避」は出来ません。
選択肢が狭まっていく状況に、早く生駒スカイラインに着いてくれ〜〜!!と祈るばかりでした。

阪奈道路に入って10km強。県境を越え大阪府に入り、
延々と続いた上り坂がようやく終わりを告げ、

峠に「生駒スカイライン入口」の案内標識が見えてきました。


やった、着いたぞ、さあ生駒山、カクゴしろ〜。


と思ったその瞬間、急ブレーキをかけました。

何と入口に、バイク通行禁止の標識が立ってるやん!!



だーい しょっく!!!(TTOTT)




後日、ツーリングマップルをよくよく見ると、下のほうに小さく「二輪通行禁止」と書いてありました。
だから二輪車の通行料金が書いてなかったのか…。

自分自身の単純ミスだけに誰を責めることも出来ず、よよよよとうなだれる僕。
また高速のような阪奈道路を引き返す気にもなれず、そのまま西へ山を降りてしまう事にしました。
生駒山の西側のふもとは、大阪府大東市になります。


地図で見たところ、阪奈道路の大阪府側は 道がぐにゃぐにゃ曲がりくねっています。
そして、奈良県側の登り坂が10kmあったのに対して、大阪府側の下り坂は半分の5km

この区間も、土日の深夜0時から6時までバイク通行禁止。
奈良県側には、この規制の予告標識もありません。
バイクを差別しすぎじゃございませんか???!



すごくイヤな予感がしました。


その予感は的中しました。


峠を越えるといきなりジェットコースターの急降下のような直線の下り坂です。
ずっと先のほうまで見通しが利くので、恐怖倍増。
メットの内側で「キャー!!!!」と叫びながら
でも、アクセルは控えめでポンピングブレーキを連発させながら一気に下ります。


さらに下りの後半は地図どおり急坂のままヘアピンカーブの連続
後続車に轢かれたらたまらないので、路肩を走ろうとしても、
路肩は砂やゴミが溜まっていて、走れる状況ではありません。

逃げ場は無くなった。


余りの僕の遅さに後続車が迷惑がってようが、
構ってられるか、おれは無事に下界に着きたいんや!
本線のど真ん中を顔が引きつったまま走り続けます。

スピードの出すぎに気をつけてると、いきなり目前に「この先急カーブ!速度落とせ!」とかのデッカイ標識。
大したこと無いだろう、大げさな標識やとナメてかかっていたら、直径50m(R=50)の180度・特大急カーブ!

もう悪さしないから、これくらいで勘弁してえぇぇ〜(ToT)と、ある事ない事暴露状態。

どんな拷問よりも、原チャで阪奈道路・大阪側下りを走らせるのが一番効果的だと思いました(笑)。
一本の道路なのに、奈良県側と大阪府側でこんなにも道の様子が違うのは、
両府県の見解の相違…ですか??


おまけに、K察のドル箱路線のはずなのに、それらしき車両は1台も見かけませんでした。
マジメに走ってるところを是非とも見て欲しかったのに……。


たかが5kmを走るのに、長い時間がかかった気がしました。
下界のR170との交差点に着いて、緊張が解け、ほっと安堵のため息をついたら、腹がペコペコなのに気付きました。
時計を見ると、もう12時半になっていました。

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教訓:命が惜しくない人は、阪奈道路を原チャで走ろう。
おれはお断りする!

続く。

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冒頭の曲:
「ボクたちおおさかのこどもやでェ!」(作詞作曲・西岡たかし)
(c)1980 NHKServiceCenter