家電化スクーター




意味深なタイトルで惹きつけてみる(笑)。

別に「ホームセンターの原チャ」でも良かったのやけれど、ま、どっちでもいいか。



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京都駅界隈には、最近、複数の家電量販店が進出してきています。

ニホンで初めてポイントカードを作ったことを誇らしげにしている「ヨドバシカメラ」

京都駅直結が自慢の「ビックカメラ」

家電量販大手で唯一の関西資本をうたう「上新(ジョーシン)電機」もあり、

買う側としてはいろいろ店を選べて楽しいものです。
共倒れにならへんかったら良いのやけれど…。




その中で最も規模の大きい「ヨドバシカメラ」に着眼点をおきます。



店名に「カメラ」と付いていますが、肝心のカメラはそれなりで、

1階に ででーんとパソコンコーナー、そして地下には携帯電話。
2階にテレビなど主力製品が置かれ、客がアリの大群のように群がっていて気分が悪くなるほどですが、
上に上がれば上がるほど地味な製品へと移っていき、客の密度も地味になっていきます(笑)。

ここでいう「カメラ」とは、CDしか置いてないのに未だに「レコード店」と言ったりするのと同じようなもんです、ハイ。




そんなヨドバシカメラですが、なぜか家電以外も扱っています。

その中でも群を抜いて不人気のコーナーが、自転車売り場
人口密度ならぬ、客密度ほぼゼロ(笑)。

ホームセンターに自転車が置いてあるのは百歩譲りますが、
京都駅前の、それも家電量販店で自転車を扱う理由が僕には理解できません。

自転車関連のパーツや工具等も一応置いてありましたけど、
売れてない証拠に、売り物の工具の金属部分に錆が浮いているのがチラホラ。


品揃えが豊富なのが良いのかというと、そうではない典型例ですね。
僕が社長だったら自転車コーナー丸ごと撤去させますよ(笑)。まぁ、僕が社長になれるなら、世の中何の苦労もしませんが orz




その不人気コーナーのさらに片隅に、
明らかに自転車とは姿形の異なる二輪車が、所在なさげな姿をさらしていたのを僕は見逃しませんでした。



それは、電動バイクでした。



市販の電動バイクの国内本格展開は、2001(平成13)年にヤマハが始めたのがきっかけですが、
販売店はバイク屋のみでしたので、あまり日の目を見ることなくフェードアウトしていったことは記憶に新し…くもないか。

しかし、今回のは、他のバイクメーカーも二の足を踏んでいる中、
バイクのノウハウがない商社が外国から電動バイクを輸入して販売し出したのです。

エンジンのバイクだと、購入時にガソリンを入れたりオイルを入れたりなどの整備が必要ですが、
電動だとモーター駆動のため、そういった整備の必要がなく、充電するだけでOKですから商社にだって扱える。



例をいくつか載せときます。


伊藤忠エネクス 「e-runner (ER50-A10)」 台湾製

20万7900円


全長×全幅×全高(mm)
1550×650×1000


重量 50.6Kg

テラモーターズ 「SEED48」 中国製

9万9800円
(別売の充電器(1万8900円)が必要)


全長×全幅×全高(mm)
1800×660×1060


重量 86Kg

ヤマハ発動機 「EC-03」 (←コラム「EV元年」に飛べます)

25万2000円
(上限3万円の国の補助制度対象車)


全長×全幅×全高(mm)
1565×600×990


重量 56kg



いずれの車種も、
フル充電にかかる電気代は18〜30円程度。
バッテリーの性能が上がってきたこともあって、
航続距離は35〜50km
最高速度は50km/h程度。



あと、電動バイクの最大の利点は、
バイク特有のエンジンの振動がないので疲れにくい。
バイクで長距離を走ると腕がしびれてきますが、あれが起こらない(はず)。




ここで取り上げた3車種は最大出力が600W以下のため、
エンジンで言うと50ccに相当する原付1種のものですが、購買層を考えるとハイパワーのものは必要なさそうですし。
(e-runnerには原付2種扱いの740Wのモデルもあります)




このコラムでは家電量販店を取り上げましたが、
SEED48はホームセンターでも扱っているそうですし、
e-runnerは伊藤忠系列のガソリンスタンドで売り出しています。



バイク業界にしたら、ちょっとした危機じゃないのかなぁ。乗り心地の良さそうな外国産のバイクが手軽に買えてしまうのは。
いずれ、「バイクはバイク屋で買うもの」…の常識が、常識でなくなってしまったりして。


遠い未来には、「ちょっとバイク買ってくるわ」とスーパーやコンビニへ行く日が来るかも…?(笑)




ただなぁ、外国産の電動バイクは、故障したときにどこへ修理にもって行けばいいのやら。
そうなると使い捨てにされそうで怖いな。

駅前の駐輪場やスーパーの駐輪場、空き地に 放置電動バイクがあふれ…。




参考資料:読売新聞 2011年6月15日付朝刊