ケッタマシンの優遇策



↑学生時代に読んでいた漫画で知った単語。
その漫画には、「名古屋圏では自転車のことをそう呼ぶ」と書いてありました。
ホンマに?自転車は「チャリ」「チャリンコ」やろ?


信じられなくて、
当時文通(懐)していた名古屋近郊在住の相手への手紙に、そのことを書いて尋ねてみました。


すると、返事には「名古屋あたりでは、自転車のことを『ケッタ』とか『ケッタマシン』と呼びますよ」
書かれているではないですか。


狭いニポンでも、ところ変われば言葉変わるというくらい方言がありますが、
「自転車=ケッタマシン」は想像の域を超えています。
語源が知りたい! 名古屋圏在住でご存知の方の連絡を乞う(笑)。

↑と書いていたら、HPにUPしたその日に名古屋在住のおいてけさんから指摘がありました。

曰く、「蹴る、蹴っ飛ばす」の意味の「蹴たぐる」が語源のようで、
そこからペダルを蹴たぐることから「蹴ったくりマシン」、それを短くして「ケッタ」「ケッタマシン」になったとのこと。


スピーディにパワフルに動きそうな「マシン」。
その正体が自転車だなんて…orz



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さて、僕も大好きな その自転車が今回のテーマ。
最近は暑いので、自転車での遠出はせず、もっぱら近所の足として高級クロスバイクを使っています。

このような大変もったいない使い方は、
例えるなら、猫に小判、豚に真珠、えいまるにクロスバイクレベルですorz
決してマイナーなメーカーのものでは無いのですが、未だに同じ車種に乗っておられる方を見たことがありません。


山科区内で赤の某USA製クロスバイクを見かけたら、多分それは僕のです。
アルプラザの駐輪場に停めてあっても、勝手に乗っていかないでくださいオネガイシマス m(_ _)m



最近、「自転車」界では 大きな2つの「変革」がありました。
英語で言えば、レボリューション(revolution)です。別に言わんでもいいんやけど(笑)。

「エボリューション(evolution)」とゴッチャになってるアナタは三菱フリークですね?(^^;)




【ひとつめ】

電動アシスト自転車(以後「電アシ」)のアシスト比率の変更です。
己の脚力をモーターが手助けしてくれる電アシは、
1993(平成5)年の登場以来 女性やご老人、坂のある地域にお住まいの方々に絶大な人気がありますね。

最近ではクロネコヤマトがリヤカーをけん引した電アシで宅急便を配達しているのを見かけます。
小型トラックより小回りが利くのと、エコの両立を図っているとか。

今までのアシスト比率は、最大で 自力:モーター=1:1(ただし15km/hまで)
と、自分の脚力と同等を限度としていました。
脚のパワーを最大に必要とする「漕ぎ出し」の力が、普通の自転車の半分でいいのだから、断然ラクですよね。



ところが、
いつの間にやら、「脚力より強大なアシストをしてもいい」と法律が改められ、
現在のアシスト比率は、最大で 自力:モーター=1:2(ただし10km/hまで)
と、わずか3分の1の力で漕げるようになってしまいました。



ここまでくると、かなりの急な上り坂でもラクラク登れます。


僕が27段変速のクロスバイクでぜぇぜぇと息を切りながら上り坂を走ってる横を、
前カゴにレジ袋…いや、エコバッグ満載のオバチャンが電アシでスイスイと追い抜いていくのには、
頭から血が噴き出しそうなほどハラが立ちます。

こんなん絶対反則やし(怒)。



老化は足からといいますし、出来ることなら自力で漕げる程度に足を鍛えておくほうがいいのと違うかな〜と思うのは、
余計なお世話ですかね?(笑)




【ふたつめ】

3人乗り自転車の解禁です。

自転車のハンドル部分と荷台部分のそれぞれに幼児用イスを取り付けて
3人乗りをしている親御さんは普通に見かけます。

が、本来乗せていいのは、6歳未満の幼児1人までなんですよね。


ただ、自治体によっては、「幼児用イスに1人+1人をおんぶ」しての3人乗りをOKとしているところもあります。
僕の住んでいる京都府はアカンのんですけど。




だけど、幼児を2人持つ母親たちからは、「子どもの面倒を見る以上、3人乗りはやむを得ない」という声があり、
それなら公的に「大人+幼児2人」の3人乗りを認めようじゃないか、となったわけです。

ただし、3人乗っても、強度や走り、押し歩き、駐輪などの面で安全が確保できることの条件がありますが、
それをクリアした自転車がお目見えしています。



車輪を小さくして重心を下げて安定感を増したり、

前輪をMP3のように2輪にし独立サスペンションをつけて転倒しないようにしたり、

・子ども用自転車のように補助輪をつけたり、

フレームを太くし強度アップしたり、

・安定性を増した専用スタンドを装着したり


↑補助輪つきの3人乗り自転車

した車体に、

前カゴをつけるスペースにバスケット型の座席を設置し、
後部にも座席をつけた3人乗りタイプ
がもっともポピュラーなようです。



これだと荷物を載せることが出来ませんので、運転者が背負ってほしいと某自転車メーカーは広報しています。
さすがに、そこまではムリやったか(笑)。



お値段が10万円くらいからと、普通の自転車と比べて割高ですし、
車のチャイルドシート同様に子どもが幼い間の数年間しか必要がない乗り物なので、
3人乗り自転車の購入費の助成や、レンタルを行う自治体も出始めています。



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自転車ばっかり進化してるやん。


スズキの社長が社屋の陰で泣いてますよ、きっと。
近距離のアシを自転車→原チャへのシフトを目的に格安バイク・チョイノリを世に送り出したのに、


子どもを後ろに乗せられない自転車程度の法定速度右折方法は自転車と同じという


原付に課せられたがんじがらめの法律に阻まれ、爆発的な普及…に至らず、
またしても自転車に追い抜かれてしまう結果に。



自転車はもともと自由度が高い乗り物なのに、更にこれだけ性能UPすると、
何十年も昔の法律を引きずる原チャの存在意義を疑いたくもなります。

原チャだって、変えてほしい。



参考資料:毎日新聞 2009年7月31日付朝刊