逆トライク
おことわり: 当コラムに記載されている内容は、すべて掲載当時(2008(平成20)年3月)のものです。 2009(平成21)年9月1日の法改正により、それまで車の免許で運転できた「MP3」等のバイク風の3輪車は 車の免許では運転できなくなり、排気量に応じたバイクの免許が必要となりました。 詳しくはこちらを参照のこと |
イタリアのバイクメーカー、ピアジオといえば、ベスパで有名ですが、
妙な「バイク」も作っているのをご存知でしょうか。
その「バイク」が、過日の大阪モーターサイクルショーで展示されていましたので掲載。
↑PIAGGIO MP3(250cc) | ↑GILERA FUOCO 500ie(500cc) |
今までに見たことのないカタチです。以前紹介したスリーターやトライクとは反対で、前輪が2つ、後輪が1つ。
名前は「MP3」。250ccのエンジンを積んだスクータータイプの3輪の乗り物で、最高速度は125km/h。
ニポン国内ではトライクに準じた扱いとなっています。
つまり、道公法上は車、保険や税金などの車両法上はバイク。
運転に必要な免許は、当然車の普通免許。バイクの免許では乗れないので要注意。
前1輪・後2輪のスリーターやトライクは、後輪が固定されているため、 カーブでは車のようにハンドルを切って「曲がる」のに対し、 MP3は、前輪に独立したサスペンションが付けられています。 なので、バイクと同じように車体をバンク(寝かして)させて コーナリングできます。 「同じように」というか、どう見てもこれは立派な「バイク」ですがな。 先述のモーターサイクルショーでは、PRビデオが流されていました→ バレリーナのごとく軽やかに動き、きれいに揃いすぎの「前足」が気色悪いです(笑)。 その「前足」のおかげで、凹凸の激しい路面でも、滑りやすい路面でも安定して走れるそうです。 また、減速し時速8km/h以下になるとサスペンションを固定でき、 バイクによくある、つんのめったり ふわふわした感触なく停車・直立も出来るスグレモノ。 |
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3輪だとさぞかし車体が大きいのだろう(特に幅が)と思いそうですが、 実は現在ニポン国内で大流行の250ccのビッグスクーターとほぼ同じ大きさ なんです。 コンパクトにまとまってますよね。 500ccモデルに跨ってみました→ このツラ構えは「風の谷のナウシカ」の蟲(オーム)みたいで、トラウマになりそう(笑)。 |
トライクを筆頭とする3輪の「バイク」は、2輪のバイクを改造して作る 「ワンオフ」のため、
販売価格がありえないほど高額なのが当然視されているニポンのバイク界。
それに対し、最初から3輪の「バイク」として作り出したピアジオの発想力と、それを製品化する技術力に感心させられます。
目のつけどころが、 シャープ
ピアジオでしょ。
どうしてこんな簡単なことに気付かなかったのだろう。
法律的にも現実的でない4輪の「バイク」を試作してる某メーカーは見習うべし。
車オンリーのユーザーが、唯一 原付以外のバイクを体感できる「バイク」です。
彼らに「バイク」の良さを伝えるには、最高の乗り物でしょう。
ノーヘルでも乗車OKですが、ぜひヘルメットをかぶり、「バイク」の世界を堪能して欲しい。
んでもって、よかったらバイク乗りになってね(笑)。
お値段は96万5000円(税込み)。
国内仕様の1000ccのバイクに手が届きそうな値段設定ですが、
この面白さは値段に変えられないでしょ。
って、これを車の免許だけで乗っていいのなら、バイクの免許自体を否定されてるようで 嫌といえば嫌ですが(笑)。
さらに余談ですが、道公法上は車なので、
「バイク通行禁止」のところも、「バイク2ケツ禁止」の首都高の一部も2ケツで走行OKです。
ますますバイクが けなされているようで 嫌すぎですが(笑)。
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国内発売開始から1年が経とうとしていますが、
ついに今日(2008年3月18日)初めて街中で走っているのを見かけました。
違和感がアリアリで目立ってるだろうと思ったのに、見事なまでに街の風景に溶け込んでいました。
これはピアジオの完全勝利ですか?
で、バイク屋で売ってるのを見たことがないですが、どちらで購入されたのでしょうね。
これって、50ccで作ったら原付免許で乗れるんじゃないの?
「逆ジャイロ」として売ってくれないかな。いや売ってください!!
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…ま、MP3のように車の免許で乗れる「バイク」が増えたら、
この島国のエラい人たちは、サッサと法律を都合よく変えてバイクの免許必須にするんだろうなぁ…。