「伝説」たちよ、伝説なれ




ちょっと残念なニュース。

ニホンを代表する車が次々と引退の道を歩んでいることが取り上げられていました。






全国紙で車関連の記事が大きく取り上げられることが少ない中において、掲載されたのがこれではホンマに残念です。


僕にしては珍しく、記事中で取り上げられた車の感想を書こうと思います。


☆プレミオ (トヨタ)、アリオン (トヨタ)、シルフィ (日産)

それぞれ、コロナ、カリーナ、ブルーバードと長きにわたる小型セダンの名車
5ナンバーサイズのセダンって、ボンネット・車室・トランクの3ピースで車の姿かたちとして整っていても、
今の時代にはサイズが小さいかな…。ニーズにが合わなくなったように思います。

3車種とも古くさいイメージを払拭すべく(憶測)、名称を変えて「延命」していた感があります。
この手のサイズの車は、ヤリスやアクア、マツダ2、フィットなどの5ドアハッチバックにとってかわっていますね。



☆レガシィB4 (スバル)

レガシィセダンとして水平対向エンジン(ボクサー)を搭載した四輪駆動車。
他メーカーとは一線を画すスポーツセダンとして、その名を馳せた名車でした。
でも、峠で走ってるイメージがないですね。どこでよく見かけたんやろう…?



☆パジェロ (三菱)

国産のオフロード車と言えば必ず登場する名車。
RVブームを引き起こし、どんな悪路でも走破する姿はなかなかの見ごたえがありました。
ちなみにパジェロは、自衛隊で使われている似たような形の車(73式小型トラック)のベースにもなってます。

岐阜県坂祝町(さかほぎちょう)で製造され、同町の税収の大半をパジェロの製造が貢献しているそうですが、
生産終わったらこの町、傾くのでは…。



☆オデッセイ (ホンダ)

ニホンのミニバンブームを巻き起こした立役者で、90年代半ばのホンダの「クリエイティブ・ムーバー」4兄弟の一。
背の高さがウリのミニバンにおいて、3代目では立体駐車場に入る車高1.55mに抑えつつ
車内高は拡大するというモデルを登場させるなど、ミニバン界に新風を吹き込んだり。

ただ、5代目で大型ミニバン「エリシオン」と統合したことから、特徴的だったヒンジ型の後部ドアをスライドドアに変更。
車体も巨大化させ、個性が薄れました。



☆クラリティ (ホンダ)

ニホンで2車種目となる、水素を燃料に発電して走る燃料電池車。コラムでも取り上げました(→「究極のエコカー」)
後に、ガソリン+モーターのPHEV(プラグイン・ハイブリッド)車も登場。
エンジンはほぼ発電のみで、走行の大部分をモーターが担います。
ホンダは燃料電池車から手を引くのでしょうか…。



☆レジェンド (ホンダ)

国内の280PS規制を突破(→コラム「打ち砕いたLEGEND」)し、
世界初の市販の自動運転車(レベル3)(→コラム「おひとり様100円の『レベル3』」)として
伝説を築き上げてきたホンダの最高級車

遂にその名が伝説となる日が来たのです…!!



------


これらの車に共通するのは、ほぼ国内でだけ売られている車ってことなんですよね。

時代は、世界各国で販売する「世界戦略車」に移行しています。
国内市場だけでは自動車メーカーは、やっていけない、と。
マツダが早々に車種を整理し、流行りのSUVメインの世界戦略車オンリーになっているのがいい例です。



ただ、そうなっていくと、いわゆる「売れる」形の車ばっかりになってしまい、個性が無くなってしまいそう。
それはそれで考えものですよね〜。


あのスカイラインですら、年間3900台(2020年)だそうで…。風前の灯ですが、日産は頑張るようです。

どうか、ほかに「伝説」となる名車が現れないことを…。



記事引用:読売新聞 2021年6月17日付朝刊