グッバイ股火鉢
このコラムを書いているのは3月初旬。
僕の住んでいる京都市でも春の足音が近づいてきています。
今期の冬はことさら寒く、長かった気がします。いや、長かった(笑)。
そんな寒い日に、信号待ちで前のめりになり下に手を伸ばしているバイクの人を見かけませんでしたか。
彼ら、バイクのタンクとハグしているわけではありません(笑)。
エンジンに手を当てて暖を取ってるんです。
寒い季節に暖かさを得るバイクグッズなどは色々ありますが、
お金をかけるまでもなく座ってる真下らへんにありますやん、股火鉢が。
冬物の分厚いグローブをしていても手先は冷えてカッチカチになるんですよね〜。
そんなときに、このエンジンを触るとちょうどいい暖かさををもたらしてくれ、指先もほぐれるんです。
もちろんグローブをした手で、ですよ。素手やと火傷します(笑)。
僕の「2相棒」はフルカウルですので直接エンジンは触れませんが、フレームでもそこそこ暖かいですし、
エンジンの熱気が上がってきて、腰周りがホカホカします。
と、言うことは、です。
夏のバイク乗りは、ギラギラと直射日光に晒され、アスファルトからの熱を受け、
そして自分の真下にある股火鉢を抱きかかえさせられるトリプルパンチなんですよ。
拷問です。
それに加えてフルフェイスのメットを被ってたら、頭も暑さにヤられて熱中症になる、と orz
それでも、バイクはそういう乗り物なんや、人間がバイクに合わせてやらんとアカンのんや…。
そう思ってました。
ところが、そんな論理に一石が投じられたのです。
ちょっと大きい目の新聞記事を紹介します。
年中常夏の国のバイク乗りの皆さん、よくぞ言ってくださいました!!
夏のバイクが熱いのは当たり前、我慢しろ!なんてスポ根みたいなことが今どき通じるわけないやろ。
おれは酷暑下のオフ会ツーリングで、主催者やったのに暑(熱)過ぎで倒れたんやど ○| ̄|_
そんな暑さから解放されるなんて、どれだけ嬉しいか、どれだけありがたいか!
ホンダもヤマハもスズキも既成事実や固定観念にとらわれず、カワサキ様の後に続くべし。
ま、これは水冷エンジンだから成し得たワザ。
走行風を受けて放熱することで冷やす空冷エンジンの場合は…。
伝統の空冷エンジン(←コラム「空冷エンジン万歳」)を貫くハーレー(←コラム「パパサン」)も
大排気量だけあって放熱量も多く真夏は凄まじく熱いらしいです。
どうせ水冷なんか作る気ないやろうし、コチラは潔く諦めていただきましょうか(笑)。
(※おことわり
このコラムの公開2日前に、ハーレーは空冷OHVの伝統を捨て、750ccの水冷OHCエンジンのバイクを世に出しました orz)
参考資料:毎日新聞2015年2月8日付朝刊