ミス運転撲滅対策




しかしまぁ、しょっちゅう見聞きしますよね。
車の暴走による大惨事



車が意思を持って勝手に暴走しているわけではなく、
ほとんどの場合は運転者の操作ミスに起因しているわけですけど。



まれに、「ブレーキを踏んだのに加速した」と言う当事者がいますが、
アナタが踏んでいるのはブレーキではなく、アクセルです。(→コラム「クラッチ筋」)



そういう踏み違いを起こすのは、「アクセルを踏んだら走り、ブレーキを踏んだら減速する」、
操作が単純化されたAT車の仕組みにあり、両ペダルの位置が近すぎるため、
漫然とした足の操作でも十分走れてしまうことに問題があると、以前指摘しました
(→コラム「解決策はローテクノロジー」)。



そこで生まれたのが、運転者のミスを車がカバーする「自動ブレーキ」です(→コラム「ぶつかれない車」)。



現在(2019年)発売されている車の85%以上に何らかの自動ブレーキが搭載されています。


正式名称は「衝突被害軽減ブレーキ」と言い、
その名の通り、このまま進むと事故が発生すると車が察知し、
運転者の操作に関係なくブレーキをかけ、
停止させて被害を事前に食い止める/停まりきれなくても最小限の被害に抑える仕組み
です。



我が家の車は「自動ブレーキ」誕生以前の年代の車(どーせ古いんですよ、おれの車は)ですので、
新型の試乗車でそれを経験しましたが、結構優秀ですよね。
これならブレーキと間違えてアクセルを踏み込んでも事故の危機は減少するでしょう。



ただ、車種により自動ブレーキのタイミングがシビアで、
しょっちゅう勝手に急ブレーキがかかって逆に怖いと、その装置を手動でOFFにしてる人がいましたが。

それは、普段から車間距離を詰めて走ってませんか?
もっと車間距離を空けましょうという 車からのメッセージと捉えましょう。




そんな自動ブレーキが、今後発売される車への設置が義務づけられます。
対象は、乗用車や軽トラなどです。


それに先がけ、大型バスや大型トラックは2014(平成26)年から義務化されています。
フロントバンパーの中央にある、黒くてスマホぐらいの大きさの物体がセンサーです。

今まで中央に設置されていたフロントのナンバープレートが横に移動し、バランスが悪く違和感を感じるのはそのためです。




自動ブレーキについては、2019年6月に国際基準が定められました。

そのまま走ると4秒後に衝突する距離を起点として、以下の性能を有することが求められます。







これ、制動としてはかなりの急ブレーキですよ。
シートベルトをしてなかったら、体が前に突っ込んでハンドルや前席に激しく当たりますやん。
むち打ちどころか肋骨が折れるでしょうね。

ですので、運転席と助手席だけでなく、どの座席に座っていてもシートベルトはしましょうね。


ま、安全装置があるからと気を緩めず、運転は丁寧にして欲しいものです。



ただなぁ、安全装置が増えれば増えるほど車の価格に跳ね返ってきて、
どんどん値上がり
しているのがなぁ〜。

軽トラですら100万円クラスになってしまいそうやん…。




記事引用:朝日新聞 2019年11月27日付朝刊