海上はレストタイム




さて、もう一度取り上げます。運送業界の「2024年問題」
簡単に言えば、「ストップ!働きすぎ!」


トラックドライバー側は稼ぎたいし、荷主側は早く届けたい。かつてはWin−Winの関係だったのが崩れ、
荷主>>>>ドライバーみたいになって、馬車馬かロボットのようにコキ使われている現状を何とかしようと、
法律で厳しく規制をかけようというものですね。



そこで、解決方法の一つとして、大型トラックの高速の最高速度を引き上げようというのは前に書きました。(→コラム「140→90→…」)
ですけど、それって根本的な解決になってないように思うんですよね。
スピードアップではなく、運転そのものをせずに車を長距離移動させたい。
ありますよね。



長距離フェリーです。



乗船中は休憩時間となるので、労働時間そのものを減らせます。

しかも長距離フェリーにはトラックドライバー専用の船室がありますし、
一般客と顔を合わせることもなく余計なストレスを溜め込むことも少ないでしょう。


まぁ、休憩といっても船内に軟禁されているので自由度は下がりますが、
その辺はゲーム機とか本とか趣味のグッズとか持ち込んで自分自身のために時間を使えばいいんじゃないですかね。
僕やったらダンベルやトレーニングチューブを持ち込んで筋トレして、デッキや階段でランニングしますわ(笑)。
お風呂も入れるんですから、汗も流せてちょうどいいですやん(笑)。




かつて国策で地方の高速無料とか、週末1000円で走り放題とか無責任なことをやり(→コラム「神様仏様、高速道路様〜」)、
その余波で海運業者がばたばたと潰れたのに、
ここにきてフェリーが脚光を浴びるなんて、なんだか皮肉ですね。


ま、とにかくこれで給料を今まで通りキープし、ドライバー数も維持or増加できれは万々歳なんですけどね。


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トラックドライバーの物理的な移動距離を減らすのに、フェリーにはトラクタからトレーラーだけを積み込み、
代わりにフェリーで運んできたトレーラーをトラクタにつなぐ方法もありますね。
(トラクタとトレーラーの関係については→コラム「『きかんしゃ』バス」)

鉄道コンテナも同様の理屈ですが、もっとニンゲンの負担を減らし効率よく運ぶ方法を模索してほしいなぁ。



((c)京都新聞)

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記事引用:京都新聞 2023年7月19日付朝刊