母 2.0



ずいぶん前にHPに登場させました、我が母親。

今もなお、日中は自営業で忙しく立ち働き、家では炊事洗濯の主婦業、
そしてたくましい足・LEAD50で通勤にお買い物に仕入れにビュンビュン走り回る…。
1日が24時間では足りない毎日を送っています。



いつまで経っても年齢を感じさせない母親も 還暦を迎え、

60の手習いに125ccのバイクの免許(小型二輪)を取る、と宣言しました。



キッカケはありました。

 
 1.LEADを修理しても別の場所が不調になるなど、機械的な寿命を迎えている点。

 車齢9年、5万7000kmですからねぇ。


 2.原チャを乗り換えるにしても、現在(2007年8月)LEADのようにゆったりした大柄な車体の原チャが販売されていない。

 乗り慣れた車体より小さなものは不安だ、と。2台乗り継いだLEAD歴は15年を超えていますからね。
 気持ちはわかります。


 そしてトドメとなったのが、



 3.国道を車の流れに乗って走っていたのに、
  LEADの自分だけが20km/hオーバーでネズミ捕りに捕まった。



 それがくやしく、原チャの限界を感じたと。
 負けん気の強い母親らしいです。



そんなわけで、そろそろ原チャを卒業して原付2種にレベルアップし、
大きなスクーターでよりビュンビュン走りたい!と生き生きと僕に語ってきました。



最初に聞いたときはホンマかいなと半信半疑でしたが、母親は有言実行の人でした。



仕事のお盆休みが始まる直前、かつて僕も通った某R教習所に駆け込み
「小型二輪AT限定すぐに取らせて欲しい」と頼み込んだのです。



夏休みで多忙度100%オーバーな教習所。普通なら教習の予約も満足に取れない時期です(僕が過去に経験済)。

しかし、親切にも母親の希望通り、
お盆休みの3日間で全ての教習をこなすスケジュールを組んでくれました。

そういう忙しい時期の飛び込みのお客さんなんて門前払いされそうなもんやのに受け入れてもらえたなんて、
やっぱ母親の人柄が功を奏したんかなぁ。



しかし「変則速成」の文字の入った教習予定表は、「空いてる時間帯に放り込んでみました」的で かなりムチャしてましたよ。
朝イチと夕方に教習が入ったりとか(笑)。



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2007年8月17日、教習初日。

僕が帰宅するとテーブルに置き書きが。


「母 行ってくるヨ  ガンバルヨン」



母親のバイク歴は僕の倍もあるし、大丈夫やろう。
教習車は125ccのスクーターやし。



教習が終わって帰ってきた母親は開口一番、
「くたびれた〜〜!」
「なんじゃこりゃ〜〜!!」



最初のバイクシミュレーターでは、ぐりぐり動く3D画面に酔ってしまい
実車の法規走行では練習コースが覚えられなくて難儀したそう。
運転が我流になっているせいで、ウインカーや車線変更などのタイミングも掴めず相当くたびれたみたいです。
その夜遅くまでリビングでコース図を眺める母親の姿がありました。



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8月18日、教習2日目。
朝から日中にかけて技能教習があり、日焼けしてシミになったら困るからと
日焼け止めを顔が真っ白になるくらいに塗りたくり、
大きなマスクをし、首にタオルを巻いて
教習を受ける。
38℃にもなる酷暑の中、熱中症にも負けずよくやるわ…。
教官に「これなら(卒業検定も)大丈夫でしょ」と言ってもらえたとルンルン気分。



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8月19日、教習最終日。
コースも何とか覚え、怪しかった一本橋もうまく走れるようになり、見極めOKで帰ってきました。
同期の教習生はみんな二十歳前後の人ばかり。
オバサンは自分一人だけで目立っていたと楽しそうに報告。
若い子達が大きなバイクで教習を受けてるのを見たら、母親も「自分も負けてられへん」といい刺激になったんじゃないかな。



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8月22日、卒業検定。
お盆休みは終わっていますので、仕事の合間を縫って教習所へ。

気をもみつつ仕事をしてる僕のところに電話かかってきましたわ、母親から。

すごく上ずった声で
「検定では 練習で何度も走ったコースを走るだけなのに、
一番手でひどく緊張して何度か間違えたけれど、なんとか
合格をもらえたと。

やるやん!



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そして、8月27日、試験場へ
手にした新しい免許証には「普通二輪」の文字が輝いていました。


この日は僕の弟の誕生日でもあり、
その夜、両方を祝して家族揃ってリッチな外食をしました。
って、免許の条件が賑やかやん(笑)。



次は原付2種のバイクのゲット…ですが、それはもう少し先のお話。


100ccクラスのスクーターのカタログを眺め、「どれにしようかな」とウキウキしている母親の陰で、
長年続けた原チャ乗り卒業の日が近いことに、僕が寂しさを覚えています。