追い抜きざまのノゾキ見



某TV番組「警察24時」白バイの特集コーナーにて、
ベテラン隊員が新人隊員を連れ、街道上で取り締まり訓練中の一こま。


普通に走行中の原チャを追い抜く2人。

ベテラン隊員「(新人に向かって)おい、今の原付を見てたか?」
新人隊員「は、何のことでしょうか」
「おまえ、どこを見てたんだよ。動いてなかっただろ」


そして原チャを停車させる2人。
停められた原チャの女性は、ベテラン隊員に指摘されたことを素直に認め、
反則キップを受け取り、すぐに修理することを約束。
女性は白バイ隊員を超能力者みたいとしきりに感心していた。

それから新人隊員は原チャを追い抜くたびに、ある部分を覗き込むように観察…



さて問題です。
観察していたのは原チャのどの部分でしょう。


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バイクの世界ではポピュラーな「機械式」といわれるタイプのスピードメーター
仕組みは、前輪などに接続されたメーターワイヤーが走ることで回転し、
その回転数をメーター上で読み取って速度の指針を動かすというものです。
回転数はメーカーによって異なるわけではなく、JIS規格で厳格に定められています。


ちなみに「電気式」と呼ばれるものもあり、ワイヤーではなく電気信号を速度に直しています。


両者の見分け方はかんたん。
イグニッションをOFFにした状態でバイクを押し歩くなどして動かしたとき、
メーターが動けば機械式、動かなければ電気式です。


このように測定方法がアナログの上に、タイヤの減り具合などによって、どうしても誤差が出てしまうため、
実際の速度よりプラス15%〜マイナス10%の間であればOKとなっています。
ですけど、そんなに誤差があると車検が通りません(笑)。

また、メーターは実際の速度より1〜2km/hくらい速い速度が表示されています。
それが真実なことはユーザー車検をすれば分かります。
これは、スピード違反対策とか言われていますが、本当のところはよく分かりません(笑)。


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さて、本題に戻って、さきほどの答えはコチラ↓


ベテラン隊員は目線だけを動かして原付のスピードメーター部分を見ていたんです。

動いてなかったんですよ、メーターが。
どれだけ速度を出していても、ずーっと0km/hのまま。
メーターワイヤーが途中で断線しちゃってるために動かないんですね。

これ、整備不良で交通違反です。



僕も「2相棒」で走りながら、白バイ隊員のマネをして並走する原チャのメーターを覗いてみました。
結構いますわ。メーターが常に0km/hの方。
凝視しなくても、メーターの針が左下を指したままならビンゴです(笑)。



メーターワイヤーは消耗品の典型です。
我が家の歴代バイクで言うなら、LEADも Dioも JOGも 「相棒」も ワイヤーが切れて交換をしています。
原チャのであれば交換は2000円でお釣りが出るほど安いんですよ。



しかし、くだんの女性にしても気にならなかったんでしょうかねぇ、メーターが動かないのを。
厳しい法定速度で縛られている原チャなら、そんな状態で放っておくのは命取りと思うんですけど。


交通社会の番人は、ささいな所も追い抜きざまに見ているぞ!