プレミアム2スト
もう、載せてもいいかな?
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バイクや車のエンジンは、いまやレシプロ式の4スト(サイクル)エンジンがほぼ全てとなっています。
エンジンの完成形といっても過言ではないと思いますが、以前は2スト(サイクル)エンジンというものがありました。
(→コラム「2サイクル
vs 4サイクル、サシで勝負!」)
軽量コンパクト、そしてパワフルな2ストエンジンは
常に重量やスペースと戦っているバイクにうってつけでした。
車でも2ストはあったんですよ。
軽自動車が360ccの時代は2ストが主流でしたが、
550ccに拡大されたのを機に各社が4ストに移行する中、スズキのジムニー(→コラム「○い車を□くする」)は最後まで粘り、
1987(昭和62)年まで2ストモデルを製造していたそうです。
バイクレースの世界でも当然のように2ストが席巻し、
サーキットは特徴的な甲高いエンジン音と白煙を撒き散らす排ガスに包まれていたものです。
しかし、それらは街中を走るにはマイナス要素でもあったわけで。
そしてピーキーで扱いにくく
万人向けではないパワー特性も相まって、
排気ガス規制の強化(→コラム「85%減の彼方に」)とともに消えていっ…
てないんですね。
僕は見てしまった。
製造終了から20年が経とうというのに。
今や、2ストってだけでもプレミア付くのに。
なおかつここまできれいに保っているとは。
このバイクが現役だった1980〜90年代当時は、レーサーバイクをオマージュした「レーサーレプリカ」が大流行。
峠という峠にはレーサーに憧れた小僧たちが集結し、公道サーキットと化していた時代を象徴する一台です。
リアのスイングアームが片持ち(ホンダは「プロアーム」と名付けてましたね)なのは、
レース中のタイヤ交換を素早く行うためのものですし。
エンジン始動は軽量化のためキックスタートのみですよ(→コラム「まだ見ぬ『ケッチン』」)。
まんま レーサー「レプリカ」です。
このバイクもタイヤが端っこまでしっかり使い込まれていますね。
きっと今もどこかの峠を甲高い音を響かせながら走っているのでしょうか…。