451cc+9kW+5秒=異次元加速




エンジンとモーターの両方を搭載し、
両者のいいとこ取りをして走る車、ハイブリッドカー(HV)というものが20世紀末に登場して四半世紀が過ぎています。




その間、バイクの世界ではエンジン駆動が主流のまま進んできてました。

一部のメーカーでは一足飛ばして電動バイク(EV)も出ていますが、バッテリーの問題やそれに伴う航続距離の問題もあり、
国内での普及は郵便のバイクと電動キックボードに代表される 特定小型原付など一部にとどまっています。
(→コラム「9万台のガソリンフリー」、「ほぼ自転車扱い」)




そしてバイクの世界では、HVの声を聞きません。
まぁ、上り坂等パワーがいるところでモーターがアシストする マイルドHVPCX125で実現したのが唯一でしょうか。
(→コラム「進化したPCX兄弟」)


そうじゃなくて、車のようにモーターもしっかりと働くHVは作れないのやろうか…。










名古屋モーターサイクルショーの カワサキブースにそれはありました。
さりげなく展示されていた こちらのスーパースポーツ型のバイク。



カワサキのイメージカラー・ライムグリーンをチラッとまとったコチラ。
なんと世界初となる、本格的なHVバイクです。
以前に宣言してたのが実現したんですね。(→コラム「4年後までに10車種」)

その名も「Ninja7 Hybrid」







451ccの水冷2気筒エンジン(58馬力(PS))と、
最大出力9kW(12PS)のモーターを組み合わせ、
ボタンシフトによるマニュアル(MT)操作も可能6速ATで走ります。




HVらしく、今までのエンジンだけのバイクにはない 走りのモードもいくつか用意されていて、

エンジン+モーターのパワーをフルに発揮して走る「スポーツハイブリッド」
発進はモーターで行い、加速するとエンジンも加わる「エコハイブリッド」
フル電動「EV」

が選択できます。



(↑一番下の「−」はMT時の減速チェンジボタン)


(↑左ハンドルの前側に加速チェンジの「+」ボタンが)



そして、
◎重たいバイクを押し歩くときにモーターがアシストしてくれる
「ウォークモード(後退機能付き)」で取り回しもラクラク♪



他にも、
「エコハイブリッド」では250ccクラスの省燃費を実現し、アイドリングストップ機能も装備。
MT操作時に停車すると自動的にローギアへと変速




このように様々な機構がある中で特筆すべきは、

「スポーツハイブリッド」には5秒間だけ出力を上げ650cc相当にパワーアップする機能
「e-boost」搭載でしょう。





特定の条件下では、Ninja ZX−10Rを上回る発進加速性能を出せるんですって!
10Rって 203PS/11.7kg-mやど! それをも上回るってか!!
ま、ゼロ発進からフルパワーを出せるモーターのアシストがあったらメチャ速いやろうね。異次元加速やと思うで。


しかし、ウルトラマンですら3分間粘れるのに、カワサキはたったの5秒か orz




あと、ダメ出しとして、

× チェンジペダルとクラッチレバーは無い orz







× エンジンだけで走れるモードも無い(みたい) (´・ω・`)



なんということや。
ホンダは頑張ったんやからカワサキもスポーツバイクらしいところを頑張って欲しかった〜!




ちなみに、カワサキのブースも例外ではなく、跨れるバイクにばかり人気が集中し、
跨るどころか おさわりも出来ない世界初の本格HVバイクの注目度は低かったです(悲)。
アピールも全くしてへんかったけど。担当者も配置されてへんかったし(笑)。

そのおかげで僕は写真撮り放題できたんでいいんですけどね(笑)。



詳細スペックはここをクリックすると表示(1024x768ピクセル 132kB)



肝心の値段は184万8000円!札束積んで世界初の技術をわが手中に収める剛の者はいるか?!
いたら僕に永久に貸してくださいな。