ダム湖畔限定レーサー気分



さて、バイクで走りに行くとき、あなたはどこに重点をおきますか?
目的地?走行ルート?一緒に行くメンツ?昼ごはん?(←それは えいまる、お前だけやろ!と言う声が…)
色々あるかと思います。

ま、どこをメインにするかで、同じ所を走るにしても、楽しさが変わってくるでしょうね。


僕は、ルート派です。
目的地は、あってないようなもので(行き当たりばったりと言うか…)、そこまでの道のりを楽しく走るのを第一にしてます。
そうでなけりゃ、こんなところとか、こんなところとか、こんなところとか、フツーなら原チャで行くわけ無いでしょう(笑)。


また、原チャでのツーリングは、ほかのバイクや車には無いリスクも背負いますので、
いつでもどこでも心置きなく走れる…というわけにもいきません。
そのへんで悩んだりもします。


今回の原ツーレポは、その辺について全く悩まなくてもいい場所を走ってきた出来事を簡潔に報告しようと思います。

時は、2004年2月22日(日)午後曇天模様の空の下、LEADで自宅を出発しました。
目的地は、大津市の南部、南郷というところに、このたび完成した友人の会社の施設を見に行こうと思ったのでした。

ホント中途半端な天候で、気持ちは乗ってきませんが、引き返す気になれず、ずんずん進みます。
交通量も少なく、ネズミ捕りもありませんので、適当な速度で流していきます。


京都市山科区→R1東進→滋賀県大津市粟津町→県道781→R422→鹿跳橋→大津市南郷


R422は琵琶湖から唯一流れ出る川、瀬田川沿いに展開。
川の流れが穏やかなため、天気のいい日には、ボートの練習をする学生さんなどがたくさん見受けられますが、
この日は季節的なものと天気がよくないので、あんまりいません。

厄除けの神様のいる「立木山(たちきさん)」を通過し、
京都府宇治市方面と、滋賀県信楽町方面に分岐する鹿跳橋交差点を東へ。
事前に友人から場所を聞いてあったため、目的の施設はすぐに見つかりました。

これで目的は果たせたわけですが、ここまでの走行距離は20kmあまり。
このまま帰ったのでは、時間も早いですし、第一、走った気がしない。

もっと走ろう。当然のように思いました。

どこがいいかな…でも、お天気が…。
それなら、家に向かう方向の、宇治川ラインを走ってみたらどうかな?

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琵琶湖から流れ出た「瀬田川」は、滋賀県と京都府の県境あたりで、名前を「宇治川」に変え、京都府宇治市へ流れていきます。
先ほどの「鹿跳橋」から宇治市の「天ヶ瀬ダム」間の宇治川沿いの道を、
通称「宇治川ライン」
と呼んでいます。


東側は山間部の河岸道路、西側はダム湖畔を走る、有名なワインディングロードです。

休日ともなると、バイク好き、車好きが出没し、宇治川ラインをサーキットのごとく走っています。
一時期のバイクの暴走に業を煮やしたか、
当局は学校が夏休みの間に限り、宇治川ラインの中でもいちばん面白い、ダム湖畔のみを
バイク通行禁止にしてしまいました。



そういう走り方をしない、マジメなバイク乗りの僕(?)までとばっちりを受けて、いい迷惑です。
そして、ヤツらの一部はコーナリングに熱くなり過ぎ、ガードレールを突き破ってお約束のようにダム湖にダイブ。
夜になるとその霊魂が さまようとか言います。
幽霊を信じない僕には、全く関係ことですが(笑)。
夜も一度だけ走ったことがありますが、別に怖いとも思いませんでしたし。


とにかく、ダム湖畔道路はワインディングロードになっていることが多く、走りを楽しめるポイントです。


こういう道を「2相棒」のような排気量の大きいバイクで走ると、腕の無いのがモロに出てしまいます。
それくらい、ワインディングロードの走りは難しいですね。
コーナリングのライン取りとか、アクセルワークやブレーキング…などなど。
エンジンパワーもありますので、ちょっとしたミスが命取りにもなります。

だから、デカいバイクでそういう道を走りたくないんですよね。正直なところ。


そこで、LEADです。
こいつなら、全開でも60km/h余りしか出ませんし、加速も穏やか。コイツならそんなに怖くないだろう。
そう思ったのでした。

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友人の会社の施設から道なりに進み、京都・滋賀の県境、「曽束大橋」から宇治川ラインに入り、天ヶ瀬ダムを目指します。

ここも、K察も来ませんし、レーダー置いて速度を測っていることも無いです。

普段なら許されない(だろう)けど、今は存分にアクセルを開けて走れます。
カーブに差し掛かる直前でフルブレーキ、カーブを抜けて立ち上がりで全開加速など、
「2相棒」でなら出来ない走りをしてる僕はレーサー気分です。
いや、心だけは「公道レーサー」になってました。


すごく速そうに走ってるような文体ですが、バイクは母親のご老体・カゴ付きLEADで、
乗ってるのは おんぼろメットに色あせた赤ジャケット着てるヤローですよ(爆笑)。



ブラインドカーブ(※先が見えないカーブのこと)も多く、
ヘアピンカーブも道路改修で減ったとはいえども、数ヶ所ありますので、
原付で60km/hまで引っぱれるところ(直線)は、ありません。

ただただ、自分の走りに酔っていました。おバカ全開です。

カーブがよりキツい、ダム湖畔の道も、そつなくクリアできます。


僕の走ったときは、たまたま交通量も少なく、対向車も後続車もほとんどありませんでしたし、気兼ねなく走れましたしね。
宇治川ラインを走り抜き、
京都側の終点、「天ヶ瀬ダム」に着いたときに感じた満足感は、いつになく強いものでした。


今にも雨が降りそうな曇天も、このときの僕の前には太刀打ちできなかったでしょうね。


宇治から北へ一直線で山科です。時計回りにぐるっと1周のこのルートは、ちょうど50km。
ちょっと走りに行こうかって時にはうってつけです。
またLEADで行こうっと。



注:文中に道交法に反する記述が多数ありますが、交通違反を助長するものではありません。
僕の主眼は「バイクで楽しく走る」こと、それだけです。