あの日のおれに、さようなら(1)



いきなり私的なことで愚痴って申し訳ないんですけど、黙って続きを読んでもらえますか。


最近、仕事がらみのしょうもないイザコザに巻き込まれ、頭に血が上ることが多くありました。

家に帰ってもそれを引きずり無気力で何も手に付かず、
夜寝るときには「またあの職場に行かなくてはいけないのか」と連日「サザエさん症候群」を発症。


そんな日が何日も続き、精神的にも体力的にも滅入ってしまっていたある日。

ふと、気付いたんです。
おれ、沿道に咲くきれいな花も見ずに、なに一人で突っ走ってるんや。

寄り道しようや。

おれの忘れかけてた、
あの日あの時の笑顔のために。


思い立ったが吉日、早速、その週の金曜を有休にしました。
土日の週休と合わしてうれしい3連休です。


この3日間は仕事をスカッと忘れようと心に決めました。

せっかくの休みも、地元にいたら何ら変わりはない、
それなら、京都を離れて思う存分バイクで走ろう。それが今のおれが一番必要としてることに違いない。

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そして、3連休初日の朝を迎えました。
GWが明けた、2004年5月7日金曜日。快晴。
いつもの朝はなかなか布団から出られないのに、この日の起床は気持ちいいくらい爽やかでした。
ああ、休みって何て気持ちがいいんだろう!


起き抜けに早朝から営業してる散髪屋に行き、ボサボサ頭をきれいに切ってもらいました。
お気に入りのウェアに身を包み、洗車してない「2相棒」と出発。行くど〜!!


目的地は決めていました。
以前BBSに書き込みされた、愛知県の心霊トンネル。
先に断っておきますが、僕は心霊やオバケなど怪奇現象は全く信じません。

前にも書いたことがありますけど、そんなもん、いるわけ無いじゃない。
「見た」とか言ってる人は、幻覚とか幻聴とか夢遊病とかじゃないの?(笑)

ルートは、

京都市山科区→<R1>→滋賀県草津市→<湖周道路>→滋賀県彦根市→<名神・東名(1950円)>→名古屋IC→

→猿投グリーンロード→R153(飯田街道)→愛知県足助(あすけ)町→伊勢崎トンネル


(帰りはこれの逆。ただし高速は、名古屋IC→<東名・名神(2900円)>→瀬田東IC(滋賀県大津市))


気持ちよく出発したのもつかの間、家からわずか5kmの滋賀県大津市市街で渋滞に捕まってしまい、なかなか進めません。
早くすいてる湖岸道路に出ればいいものを、何を考えていたかずっと混雑しているR1を走り続けます。

ようやく気を取り直して湖岸道路に出ようと、R1をそれたら、
どういうわけか、買い物客でごった返す駅前商店街にぶつかってしまいました。
引き返せないので仕方なく、申し訳なさげに商店街をモソモソ走行。
さらに大きなJR草津駅ロータリーも回る羽目になります。

それに、Rタイヤのパンク修理の跡が取れて、またパンクしてしまうんじゃなかろうかと不安もよぎります。
以前にそういうトラブルが2回あったので、パンク修理したタイヤで走るのは、一種のトラウマだったのです。


でも、誰も助けてはくれません。


トラブルも楽しみのひとつと、どーして思えないんや。
そんなもん、何とでもなるやろ。せっかくのバイク日和、細かいこと気にするな

自分で自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着かせました。


草津市でR1をそれて湖周道路に移動。
琵琶湖沿いのこの道は信号も少なく、交通量も多くないですので、快調に距離を伸ばせます。
さっきの渋滞でロスった分をここで一気に取り戻します。


何度走ってもこの道は最高です。滋賀県を走ることがあるのでしたら、国道ではなく、湖周道路をオススメします。
天気もいいですから、相乗効果でさらに癒されていきます。
さっきのイライラもどこへやら、落ち着きを取り戻し、彦根まで無事に来れました。
ここから名神に乗り一気に名古屋を目指します。


800ccの「2相棒」の本領発揮です。
さすが「高速ツアラー」の冠を授かるだけあって、高速走行はお手のもの。
100km/h巡行など余裕ですね。13時過ぎに東名・名古屋ICを降りました。

高速もGW中は朝7時から渋滞してましたが、
この日は何事もありませんでした(アメ車が路肩でパンクして情けない姿をさらしてましたけど(笑))


このそこから、猿投グリーンロードを走ります。
「2相棒」にとっては実に気持ちいい程度のアップダウンやコーナリングがあり、
300円(全線)を払って走る価値はあると思います。


原付も通行出来ます(50円(全線))が、50ccでは上り坂が厳しいかも知れません。


道路の特筆すべき点は、ハイウェイカード(ハイカ)が使えることです。
ハイカは、高速に乗れない125cc未満のバイクには縁の薄い代物ですが、
ここでは使えますので、50ccなんぞで走りに行って
支払いをハイカでってのも面白い
でしょう。


…と、なかなかよろしげな有料道路ですが、名称が全てをダイナシにしてます。     
猿投って…ちょっとなぁ。いくら地名から取ったとはいえ、脱力モードですよね。
個人的に訓読みで「さるなげ」と読んでますが、
これでは腰も砕けてしまいそう(笑)。

あ、正式名称は「さなげ」だそうです。でも読めません、そんな名前じゃ。




グリーンロードの西側(名古屋側)は、来年(2005年)に開催される愛知万博の準備真っ最中で、周辺が近未来的に開発されています。

周辺に掲げられた愛知万博(でしたっけ?)関連の垂れ幕にもこう書かれてました。
「グリーンロードは生まれ変わります」
どこにも「猿投」の文字がありません。
あきらかに「猿投」を葬り去ろうとしてるやん(笑)。


(猿投)グリーンロードからR153(飯田街道)を長野県側に向かいます。
この国道も、(略)グリーンロードよろしく走りこめます。速度を気にしなくていいのなら原チャでもガンガン走れます。
上り坂だけは別にして…ちょっとキツいです(^^;) 下り坂は面白いでしょう。

家が近ければマジでLEADで走りに来て、飯田まで行ってみたいと思ったほどです。
名古屋市の東隣のこの地ですが、濃尾平野から山一つ越えていますので、都会らしさは全く無く、のどかです。
グリーンロードより東は、足助町(あすけちょう)役場付近までPHSも圏外になるので、邪魔も入らず、自分の世界を堪能します。


足助町には紅葉で有名な香嵐渓(こうらんけい)という渓谷があります。
「2相棒」を停め、そばのコンビニで買ったアイスを食べながら(子供だな、こりゃ)川にかかる橋から渓谷を見下ろすと、

新緑の山をバックにこいのぼりがたくさん泳いでいました。


こういう光景は全国津々浦々で見られますが、

僕がナマで見たのは初めてでしたので、圧倒されましたね。

が、

アイスを食べながら眺めてますので、
全然絵になりません(笑)。

僕の職場の近所の高野川にもこいのぼりが渡してあって、これもいいなぁと思っていましたが、
今から思うと1本(で、いいのかな?)だけですので、、香嵐渓のこれと比べると、貧相で目も当てられませんね。

続く。

(2004.5.10)


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おことわり:文中に出てきます「ハイウェイカード(ハイカ)」は、2006年3月31日をもって利用が終了しました。